日本独自で人気の規格でもある
2023年上半期の新車販売台数でも1位となったホンダの「N-BOX」といえば、ここ数年トヨタ「ヤリス」と熾烈な首位争をしているクルマとして知られています。ただ、同じようにコンパクトな車両でありながら、「ヤリス」はコンパクトカー、「N-BOX」は軽自動車に分類されています。この軽自動車、日本ではなくてはならない車種となっていますが、一体どういった車両を指すのでしょうか。
2023年8月に発表された新型N-BOX(画像:ホンダ)。© 乗りものニュース 提供
まず、軽自動車という分類があるのは日本だけです。その規格は全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下で、エンジンの排気量は660cc以下。ヤリスなどの普通車(登録車)よりも大幅にコンパクトな規格のなかで作られる車両です。
さらに、軽自動車の定員は最大4人までと決まっています。室内空間の広さを問わず5人乗りは禁止。ただし、12歳以下の子どもは3人で大人2人として扱われるので「大人2人と子ども3人」「大人1人と子ども4人」の組み合わせであれば違反にはなりませんが、シートベルトは4人分までです。
なお、定員オーバーは捕まると道路交通法違反となり、違反点数1点が課され6000円の反則金を支払わなければなりません。
維持費にも違いがあります。軽自動車税は2015年4月以降、年7200円から1万800円に増税されましたが、それでもコンパクトカー(1000cc以下)の自動車税が年2万5000円なのに比べると、半額以下になっています。なお高速道路料金も普通車の8割の値段です。
ほかにも、黄色いナンバープレートを使っていることが軽自動車の分かりやすい見分け方でしたが、図柄入りナンバープレートや東京2020オリンピック・パラリンピック開催記念の特別仕様ナンバープレートなどは、軽自動車でも白のプレートが使われるため、そうしたナンバープレートを使用している場合は、軽自動車でも白ナンバーのケースがあります。
そのシェアは年々伸び、いまや軽自動車は国内保有台数の約4割を占めています。ちなみに、2023年8月1日にカーリースサービスを提供するナイルが発表した調査結果によると、維持費の安さや車内の広さなどから、軽自動車ユーザーの8割以上が「軽自動車にしてよかった」と回答しているそうです。