仙台市若林区の農事組合法人「仙台イーストカントリー」が、東日本大震災の復興特区法に基づく同市の「農と食のフロンティア推進特区」の第1号に指定された。津波被害を受けた同区神屋敷地区に、コメの乾燥貯蔵施設を再建し、農産物加工施設を新設する。生産から加工、流通を手掛ける6次産業化を目指す。
指定は20日付。特区認定により、整備する施設や設備に対する固定資産税が5年間免除されるほか、法人税や県税の減免制度も利用できる。
仙台イーストカントリーは震災前、市内最大規模の約64ヘクタールでコメや大豆などを栽培。津波で農地の約3分の2が浸水し、復旧作業を進めている。みその醸造やおにぎりなどの加工販売に加え、産直施設や農家レストランを新設することで、販売面をさらに強化する。
代表理事の佐々木均さん(59)は「被災した農業者にとって、特区の指定で得られる税制面の恩恵はありがたい。圃場整備事業による東部地区の新しい農地に期待しており、6次産業化で付加価値を高めた法人経営を実現したい」と話した。