「追い込み漁イルカ継続を」 複数水族館が新団体設立へ

追い込み漁で捕獲されたイルカの入手を日本動物園水族館協会 (JAZA)が禁じたことを受け、イルカを飼う水族館でつくるJAZA傘下組織の「鯨類会議」が解散し、複数の水族館で新団体を設立することが7日、関係 者への取材でわかった。和歌山県太地町から追い込み漁によるイルカの購入を続けることを見すえ、一部の水族館はJAZA脱退を明言している。

鯨類会議は34の水族館でつくる。イルカの生態に関する研究発表などの情報交換の場として発足。事実上、太地町の追い込み漁で捕獲したイルカの購入順を決める場となっていた。

JAZAは、追い込み漁を問題視する世界動物園水族館協会(WAZA、本部スイス)から4月に会員資格を停止されると、5月に追い込み漁のイルカ購入の禁止を決めた。従わない場合は会員水族館を除名する方針を示している。

これに対し、一部の水族館が購入の続行や脱退を検討していた。新団体は、追い込み漁のイルカの購入を希望する水族館が、JAZA脱退後も情報交換を続け、結束する場をめざす。当面はJAZAに残留する水族館も入れる。

鯨類会議は8~9日に神奈川県で開かれる会議の場で解散を宣言し、同時に新団体設立を表明する。新団体には少なくとも3~4の水族館が加わる予定だ。

新団体への参加を予定する、複数の水族館関係者は、取材に対し「太地町からの購入なしに繁殖を続けることは不可能。JAZAに残るメリットはない」と述べた。(枝松佑樹)

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