国連合同エイズ計画(UNAIDS)の事務局長、ミシェル・シディベ氏が2日、日本記者クラブ(東京都千代田区)で会見した。
シディベ氏によると、世界の新規エイズウイルス(HIV)感染者はこの10年で17%減少し、治療が受けられる人の数も50万人から500万人へと10倍に増えた。だが、世界的経済危機の中、先進諸国がエイズ対策への財政支出に消極的になっており、「エイズ問題は過去最高の状況だが、最悪でもある」と述べた。
貧困などで治療が受けられない人はアフリカを中心に1千万人を超え、シディベ氏は「世界が連携し、安くて持続可能な治療法の開発などに取り組むことが大切。日本はその大きな役割を担っている」と訴えた。