厚生労働省は、新型コロナウイルス対策として着用されているマスクについて、「夏期の気温や湿度が高い中でマスクを着用すると、熱中症のリスクが高くなる恐れがある」として、場所によってはマスクを外すなど、熱中症予防を呼びかけている。
新型コロナの予防や拡大防止のため、マスクを着用して外出する人は今も多い。営業を再開した店舗の中には入店時にマスクの着用を必須としているところもある。
一方、関東地方は本格的な夏を前に暑い日が続いている。6月15日は栃木で35度以上の猛暑日、東京も30度を超え真夏日となった。
気温が上がってくると気を付けなければならないのが熱中症だ。2019年(5~9月)に熱中症によって救急搬送された人の数は約7万1000人と、現在までの新型コロナの感染者数(約1万7000人)に比べても多い。
暑い中でマスクはどうしたらいい?
厚労省は、室内の温度・湿度の管理や小まめな水分補給といった従来の熱中症予防策に加え、
- 屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合はマスクを外す
- マスクを着用している場合は負荷の強い運動や作業を避け、喉が乾いていなくても小まめに水分補給する
- 適宜、マスクを外して休憩する
などの対策を掲げている。また、いわゆる“3密”を避けつつも、熱中症になりやすい高齢者や子供、障害者への声がけを行ってほしいとしている。
7月から「熱中症警戒アラート」開始
熱中症の警戒情報としては気象庁の「高温注意情報」や、環境省の「暑さ指数」(気温より湿度や輻射熱の割合が大きく熱中症の発生と相関性が高い指数)がある。同省庁らは20年7月から新たに、「熱中症警戒アラート」を運用すると6月16日に発表した。
熱中症警戒アラートは暑さ指数を基に、報道機関や地方公共団体などに向けて同省庁らが熱中症の危険性を発表するもの。まずは試験的に関東甲信地方の1都8県で始め、21年から全国で本格実施する予定。「熱中症警戒アラート」(環境省・気象庁資料より)
厚労省は、こうした情報を参考にして、暑い日や時間帯を避け、無理のない範囲で活動してほしいとしている。