コアジサシの親鳥が流線形の優雅な翼を羽ばたかせて大空を舞った。この夏、仙台市宮城野区の蒲生海岸で、約30年ぶりに夏の渡り鳥のコアジサシによる複数の繁殖活動が確認された。
1980年代半ばまで毎年数百羽の群れが飛来。コロニーと呼ばれる集団営巣地を作り上げていたが、90年を最後にコロニーは確認されていなかった。
「蒲生を守る会」などが繁殖地の確保に取り組んできたが、東日本大震災の影響で砂浜の面積が減少した。震災10年目に入り砂浜が徐々に戻り、「野鳥の楽園」復活への環境が整いつつある。
今年は5月下旬から飛来が始まり、最大約20羽の飛来が確認された。約2カ月の子育てを終えたコアジサシは、26日までに蒲生海岸を旅立った。