「長い間、話せなかった…」元Jr.のカウアン・オカモト氏(26)が記者会見で語ったジャニー喜多川氏性加害と公開した被害現場マンション映像

「計15回はあった」初めての実名・顔出し告発 元ジャニーズJr.岡本カウアン氏が語るジャニー喜多川氏性加害 から続く

 4月12日午前11時、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏(26、当時は岡本カウアン名義)が日本外国特派員協会で記者会見を行った。カウアン氏はジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川氏による性加害の被害者。「週刊文春」4月13日号で顔出し、実名でインタビューに答えていた。

 カウアン氏は会見の冒頭、英語で「これから、僕についての簡単な紹介と、ジャニーズ事務所で起こったことを説明します」と述べ、ジャニー氏との出会い、初めてステージに立った日の記憶、何度も泊まったジャニー氏のマンションのこと、そして初めて性被害に遭った日の詳細などを順を追って説明した上で、こう語った。

「今回、週刊文春の取材を受け、日本のメディアではおそらくこのことは報じないだろう、外国のメディアならば取り上げてくれるのではと言われ、この記者会見を受けることにしました」

 そしてジャニー氏への思いを打ち明けたのだった。

「個人的にはジャニーさんには感謝の気持ちを持っています。ジャニーさんのおかげで人生が変わったし、いまミュージシャンとして活動している僕のエンターテイメントの世界は、ジャニーさんが育ててくれたと思っているからです。いっぽうでジャニーさんが当時15歳の僕や、そのほかのジュニアに対して性的行為を行ったことは悪いことだとも思っています」

「覚悟をして話しています」

 その後、質疑応答。記者からは複数の質問が上がった。

–強制性交罪の時効は10年。すでに亡くなった人でも警察は書類送検をすることができる。それを求めるか?

「初めて法律のことを知った。そこまで考えていなかったので、そこは考えていない」

–日本の主要メディアが報じていないことにどう思うか。

「長い間、話せなかった部分がありました。こうやって記者会見を開くことで、日本が取り上げないとしても、世界で取り上げてもらえるので、そこは覚悟をして話しています。もしかしたら、僕は顔出しをしているけど、していない人もいるので、そこは希望を持っている」

–(カウアン氏の)発言の中で、「ジャニーさんが性行為をメンバーに対して行っていたのを全く知らなかった」という部分について。本当に入所するまで他のメンバーもそれ(性加害)について知らなかったのか?

「(自分は)中学校3年生で、(ジャニーズ事務所に)入ってからネットで調べて知った。特にニュースになっていなかったので、知る余地がなかった。他のメンバーは分からないです」

――家族には話したのか。何と言っていたか。

「僕が話したのは、辞めてから。改めて話したことはなくて、性的被害とかのニュースがジャニーズ以外であったり、芸能界の枕営業について話していて、その時に『僕もあったくらいだからね』と口を挟みました。3年前くらい、コロナのちょっと前くらい。親は『えっ?』と。(ジャニー氏の性加害について)噂もあったし、それまで親には否定していたので。『本当だったの? 何で言わなかったの』と言われました。その時は深く話せないというか、僕も東京に住んでいるので、話を逸らしました」

――ファンはグループを信用したいという想い、アーティストを守りたいという気持ちがある。ファンに言いたいことはあるか。

「難しいですけど。自分の好きなアイドルとかタレントを応援するのはもちろん、続けるのはいいんですけど、そういうこと(ジャニー氏の性加害)も事実としてある。それから目を背けるのではなく、事実であることを理解した上でリスペクトして応援するのがいいと思います」

 1時間15分にわたって行われた記者会見。会見では、カウアン氏が自らの証言を裏付けるために、ジャニー氏の自宅マンションの“内部映像“を公開した。このマンションが、性加害の現場である。

ジュニアが性被害に遭ったタワマンの“内部映像”

 東京・渋谷区内にあるタワーマンションの最上階。ジャニー氏の終の棲家となった部屋である。2戸分を1つに繋げた450平米超の大豪邸。書斎や寝室、ジュニアたちが使うための豪華なジャグジーバス。宿泊用のベッドや、大量に用意された布団。飲み放題のジュースや、ずらりと並べられた無数の高級酒。そして、少年たちから送られてくる大量の履歴書――アイドルを目指す少年たちにとっては夢のようなこの場所で、多くの少年たちが性被害に遭っていたのである。

 カウアン氏は、この部屋に滞在した時、自身のスマートフォンで室内の様子を撮影していた。そして今回、記者会見に合わせて、この動画を初めて公開したのだった。

 この日の会見には、この日の会見には、海外メディア5社、日本のメディア21社が参加していた。記者会見という公の場で、名前と顔を出しての性被害告白。日本メディアのうち、何社がこの会見を報じるのか、注目される。

 そして、動画には一体、何が映し出されているのか。現在配信中の「週刊文春 電子版」では、カウアン氏が記者会見で公開した動画の全編を公開すると共に、新たに8人目の元ジュニアが被害を証言。ジャニー氏による性加害が続いたジャニーズ事務所の構造的な問題について、報じている。

「ジャニーさんと性的な接触をしてないと先に進めない」 ジャニーズ8人目「性被害ジュニア」の証言 へ続く

(「週刊文春」編集部/週刊文春)

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