「震災の記憶生かす」 新聞販売店主が仙台でシンポ

東日本大震災で被災しながらも、読者に情報を届け続けた新聞販売店主らが、震災の教訓を報告し合うシンポジウム(実行委主催)が24日、仙台市青葉区の江陽グランドホテルで開かれた。
 全国の販売店主ら約360人が出席。実行委員長を務める長谷川翼・宮城河北会会長が「震災の記憶を風化させず、これからの災害に生かしてほしい」とあいさつした。
 震災で気仙沼市の妹夫婦が犠牲になったフリーアナウンサーの生島ヒロシ氏が「もしもに備えて」と題して基調講演した後、販売店主らが被災状況や防災への取り組みを報告した。
 岩手日報山田販売所(岩手県山田町)は、津波で店舗兼住宅が全壊し、旧県立病院を仮事務所にして営業している。
 同販売所の梶山正敏さん(43)は「経験を語り継ぐとともに顧客データの2元管理など、危機管理に努める」と話した。
 河北新報女川販売所の阿部喜英所長(44)は、「新聞販売の仕事を続けるためには、町の復興が不可欠だ」と述べた。毎日新聞・福島民報小名浜販売所の阿部浩治所長(40)は「原発事故の影響を心配してヘルメット、軍手姿で配達したので、警察から不審者に間違われた」とのエピソードを披露した。

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