「青い光の奇跡」駅や踏切での飛び込み自殺激減

青い光の沈静効果で飛び込み自殺を減らそうと、JR水戸支社は新年度、管内25か所の駅のホームや踏切に設置している発光ダイオード(LED)の「青色照明」を54か所に倍増する。
 すでに設置された場所では、飛び込み自殺が発生していないことを受け、自殺対策を強化するのが狙い。
 毎日2000人以上が利用する水戸市の内原駅では2009年、駅舎のすぐ東側の踏切に青色照明が取り付けられた。日が暮れると、踏切周辺が2基の照明灯で青々と照らされる。近くで新聞販売店を営む女性(65)は「以前はよく自殺があったけど、最近は全く聞かなくなった」と話す。
 青色照明はJR西日本が06年12月に導入し、11年3月末までに管内の踏切など94か所に設置した。
 この94か所について設置の前後で比較すると、自殺件数はおおむね半数以下に減少したという。JR東日本では、09年2月に高崎線の3駅に設置されたのが始まり。水戸支社では、まず09年1月、自殺が目立った佐貫―牛久駅間と神立―高浜駅間、内原駅近くの踏切3か所に試験的に設置。
 その後、11年12月までに13駅、12踏切の計25か所に増やし、飛び込み自殺が起きやすい夜間に点灯するようにした。
 同支社によると、管内の人身事故は、09年が21件、10年が20件、11年が16件だった。このうち茨城県警が自殺と断定したのは、それぞれ9、14、8件だが、青色照明を設置してある駅や踏切で、自殺は1件も起きていないという。
 この結果を受け、来年度は佐貫や日立、勝田など乗車人数が1日2000人を超える16駅と、取手―藤代駅間など過去10年間に自殺があった13踏切の計29か所に青色照明を新設することにした。同支社は「効果を検証するのはしばらく先になると思うが、少しでも悲惨な事故を減らせればいい」としている。

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