大阪市から購入した複合娯楽施設「フェスティバルゲート」(浪速区)跡地に「韓流」をテーマとした複合施設の建設を予定していた大手パチンコ店経営のマルハン(京都市)が日韓関係の悪化を理由に計画の見直しを進めていることが7日、市への取材で分かった。売買契約で土地の利用方法などの条件を定めているため、マルハンは市に新たな事業計画を提示した。
市は同日に対応を協議。当初予定よりも着工が遅れていることを重くみて、完成時期や違約金の設定など条件を追加する契約の更新を目指すことを確認した。
フェスティバルゲートは市交通局の土地信託事業で平成9年に開業し、16年に380億円の負債を抱え経営破綻。交通局は21年、風俗店を営業しないことや、地域活性化を目的とすることなどを条件に約1万4千平方メートルの跡地売却について一般入札を行い、マルハンが14億円で落札した。
昨年7月に同社が発表した計画では、施設には韓国の食材を扱うスーパー、韓国のスターのコンサートを開く多目的ホールなどが入居。総工費は約100億円で、今年秋の開業を予定していた。
しかし竹島(島根県隠岐の島町)などをめぐり日韓関係が悪化。当初の契約では今年3月までに着工する予定だったが、同社は1月、計画変更を申し出た。
橋下徹市長は7日朝、「(着工できていない現状は)交通局の失敗。マルハンも大阪市民に対して誠実な対応、責任を果たしていない」と批判した。