「風邪でも、絶対に休めないあなたへ」はブラック連想 CM批判にエスエス製薬「誤解です」

エスエス製薬の風邪薬「エスタックイブファインEX」のCMに対し、ネット上の一部で激しい批判が起きている。

「風邪でも、絶対に休めないあなたへ」というキャッチコピーがブラック企業を連想させるし、風邪の人に出社されてもウィルスをばらまかれ迷惑だ、というのだ。エスエス製薬も今回の騒動は知っていて、「なんだか誤解されているようです」と困惑気味だ。

有吉弘行が風邪で苦しむ様子を熱演

CMは、風邪で苦しむ有吉弘行さんが登場し、収録現場に向かう車内で心配しているマネージャーに対し、「エスタックがある!」から大丈夫だと告げる。やがて風邪薬「エスタックイブファインEX」で症状を抑えることができた有吉さんが、スーツ姿で元気にバラエティ番組の撮影に臨む。そして、

「風邪でも、絶対に休めないあなたへ」

というキャッチコピーが出る。

このCMが問題視されたのは小説家の似鳥鶏さんの2016年11月4日のツイッターがきっかけだった。似鳥さんは、

「申し訳ありませんがエスタックイブの「風邪でも、絶対に休めないあなたへ。」っていうコピーほんとやめてください。風邪薬で一時的に症状を抑えてもウィルスは周囲にバラ撒いてます。風邪をひいた人は休むべきなのです。病気を流行らせ周囲に迷惑をかける行為をCMで勧めないでください」

と訴えた。

ネット上では「確かにウィルスをばら蒔かれたら困る」「休め!」などと賛同の声があがり、なぜかそこから「日本からブラック企業が消える日は遠いなと思った」などと会社の勤労問題に焦点が移っていく。

「頼れる医薬品という応援メッセージ」

ネット上には、

「インフルなら休まなきゃダメだけど、風邪くらいで休んだら何言われるか分からないから仕方なく来てる人だって居ると思うんだけど」
「でも実際休めないよねー風邪くらいじゃ」
「死ぬまで働く日本人。世界からドン引きされてる」

などといった書き込みが掲示板に出るなど、一部で激しい批判が起きることとなった。

J-CASTニュースが16年11月7日にエスエス製薬に取材したところ、広報担当者は今回のネットでの騒動を知っていた。「風邪でも、絶対に休めないあなたへ」というコピーは2015年から使っていて、有吉さんは2年連続でCMに出演しており、今回の騒動に関しては、CMのメッセージを誤解しているのではないか、と困惑しているというのだ。

同社広報は

「仕事をしている人限定のメッセージだと受け取る方もいるようですが、私たちの思いとしては誰でも外せない日があるため、風邪をひいてしまった、そんな時のために『頼れるOTC(薬局などで選んで買える「要指導医薬品)』です、という応援メッセージなんです」

と、コピーの意図を話していた。

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