「食べて飲むと酔いにくい」をアサヒビールが立証!

アサヒビールはこのほど、飲酒時に食事を摂取すると酔いにくいのは、胃の働きが大きく貢献していることを明らかにした。同社の研究機関「食の基盤技術研究所」と日本医科大学との共同研究で、今月26日に福岡県久留米市で開催される第30回アルコール医学生物学研究会学術集会で発表する。
 飲酒をすると、アルコール成分は胃から20%、残り80%は小腸で吸収された後で血中に入り、肝臓で分解される。同研究所は、アルコールが肝臓に到達する手前に胃で分解されると、血中のアルコール濃度が低くなり、酔いにくくなる点に着目した。
 実験は、水だけを与えたラットと食事代わりのカロリー液を与えたラットそれぞれに、アルコール液を口から注入した場合と肝臓に直に注射した場合の血中アルコール濃度を比較した。その結果、アルコールを口から入れた場合、カロリー液を飲んだラットのほうが血中アルコール濃度が低かった。肝臓に注射したケースでは濃度に大きな違いはなかった。
 また、アルコールを口から入れた30分後の胃の状態を、水だけしか与えないラットとカロリー液を与えたラットで比較すると、カロリー液をとったラットの胃のアルコール残存量は水のみのラットの約5倍にのぼった。さらに、食事(カロリー液)の有無と胃のアルコールの分解効果を調べると、水だけと比べ、食事を摂取した胃のほうがアルコールの分解効果は6.5ポイント高くなった。こうした結果から、飲酒時に食事をすると、アルコールが胃にとどまる時間が長くなって分解がすすみ、血中のアルコール量が減ることで酔いにくくなるという。
 同研究所栄養生理解析部の大嶋俊二担当部長は「年末で飲酒の機会が増えるが、食事をきちんととってお酒を楽しんでほしい」と話す。
 同研究所は今後、胃の分解効果を高める食品や食べ合わせなどの研究を進め、機能性の食品や飲料など新商品の開発につなげたい考えだ。

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