東日本大震災で被災し、再建が必要な住宅戸数は宮城県内で7万2000戸に上ることが21日、県の推計で分かった。住宅分野の今後10年間の取り組みをまとめた県復興住宅計画で示した。同計画で県は、1万2000戸を建設予定の災害公営住宅について、来年度中に300戸を完成させる見通しも明らかにした。
再建必要戸数は、県内の全壊戸数、修理不能の半壊戸数を基に、民間賃貸のみなし仮設住宅に住み続けるとみられる入居世帯数、県人口の減少などを踏まえて算出した。
自力の住宅再建が困難な被災者を入居対象にする災害公営住宅は、17市町で整備を計画している。市町別の整備戸数は=表=の通り。
整備期間は15年度までの5年間。12年度300戸、13年度3100戸、14年度4500戸、15年度4100戸の完成を見込んだ。本年度内の完成戸数はゼロとした。
県が市町の委託を受けて整備する災害公営住宅5000戸は、12年度150戸、13年度1300戸、14年度1850戸、15年度1700戸の完成を想定した。市町営の災害公営住宅について、県は本年度中の設計着手に向け、石巻、東松島、亘理、山元の各市町と協議を進めている。
復興住宅計画の期間は10年。官民連携による多様な整備手法の導入、県産木材や地元工務店の活用、少子高齢化に対応した住環境づくりなどを掲げた。太陽光発電などの導入も盛り込んだ。
県災害対策本部によると、21日現在の住宅の全壊は8万2755棟、半壊が12万9211棟に達した。災害公営住宅の建設戸数算出の基礎となる滅失戸数査定が被災市町で進められている。