経済産業省は早ければ9月下旬から食品や衣料品などを対象に「二酸化炭素(CO2)ゼロ商品」を認証する制度を試験的にスタートする。排出量取引などを使い、製造過程で排出されるCO2を実質的に相殺した商品を認定、認証マークを付与する。認証マークは商品の包装に表示することができ、環境意識の高い消費者に、商品の購入を促すとともに、企業に排出権の購入を後押しする狙いだ。
制度実施に先立ち、経産省は10日に研究会を立ち上げ、具体的なガイドラインの策定を始める。3年後には約500種類の商品を認定したい考えだ。
経産省は3年前から商品の原材料調達から販売・流通、廃棄・リサイクルするまでの過程で排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して表示する「カーボンフットプリント(CFP)」と呼ばれる取り組みを企業に働きかけてきた。商品の包装にCO2の排出量を表示することで、メーカーや消費者に商品が環境に与えている負荷を認識してもらうのが狙いだ。
一方、CO2の削減量を温室効果ガスの「排出枠」として売買する排出量取引制度が普及。企業が温室効果ガスの削減に向けて排出権を購入する動きも広がっている。
CO2ゼロ商品制度は、この2つの制度を組み合わせたもの。CFPは食品メーカーが積極的に採用するケースが多く、経産省ではCO2ゼロ商品も食料品を中心に認定を進めていく考えだ。