プロ野球、東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地、宮城県営宮城球場(仙台市宮城野区)の愛称の命名権(ネーミングライツ)を持つ製紙大手の日本製紙(東京)が、年内満了の契約を来年以降も継続する方針を宮城県と楽天野球団に伝えていたことが7日、分かった。現在の愛称「クリネックススタジアム宮城」(Kスタ宮城)は変更し、新たに企業名を加えた「日本製紙クリネックススタジアム宮城」とする意向も申し入れた。
県は10月下旬にも、県教委の担当職員でつくる広告審査委員会を開き、同社が提示する契約内容を協議。契約の金額や期間を調整し、11月ごろまでに正式決定する。略称の「Kスタ宮城」は変わらないとみられる。
村井嘉浩知事は「地元貢献の大きい企業であり、契約更新は大変ありがたい」と歓迎している。
同社は8月末、県と楽天野球団に文書で契約更新の意思を伝えた。命名権は、現在契約中の企業が継続を申し入れた場合、優先的に扱われ、新たな募集は行われない。
同社は日本製紙グループの中核企業で、印刷用紙や新聞用紙を製造販売。県内では石巻工場(石巻市)と岩沼工場(岩沼市)が稼働している。
県は2007年12月、同社に年2億5000万円で命名権を売却。期間は08年1月1日から3年間とした。売却収入のうち75%が楽天野球団に、県には25%が入る。
Kスタ宮城は東北楽天の本拠地として昨シーズン、70試合で約118万人を動員。全国高校野球選手権宮城大会やスポーツ少年団の軟式野球大会などにも利用されている。