CD・DVDレンタル・書店「TSUTAYA」などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と三井住友フィナンシャルグループ(FG)が、ポイント事業を統合する。CCCの「Tポイント」と三井住友グループの「Vポイント」に代わる新たなブランドを作る。会員数は単純合算で計1億2200万人となり、国内最大級の「ポイント・決済経済圏」が誕生する。
両社は資本・業務提携に向けた基本合意書を結んだ。年末までに正式な提携契約を結ぶ見通し。
2024年春をめどに、CCC傘下でTポイントを運営するCCCMKホールディングスと、三井住友FG子会社でビザカードを発行している三井住友カードのポイント事業を統合する。CCCMK株をCCCが60%、三井住友グループが40%保有し、共同運営する。
新たなポイントはそれぞれのサービスを使うことでたまる。ファミリーレストラン「ガスト」などTポイントの提携店15万店や、世界のビザ加盟店1億店の利用でためたポイントを、支払いに使える。新たなスマートフォン決済サービスの展開も検討する。
CCCは03年にTポイントを開始した。会員数は7000万人に上り、国内では知名度が高いが、ヤフーとのポイントでの連携を今年3月に終了していた。三井住友グループと組むことで利用可能な店舗を増やす狙いがある。
一方、三井住友カードは会員数が5200万人、カード取扱高が24・8兆円に上るクレジットカード大手。カード決済の利用でたまるVポイントは、20年に三井住友グループの共通ポイントとして始めた。Tポイントとの統合で顧客基盤の拡大を図る。
ポイント・決済事業を巡っては、楽天市場や楽天カードを手がける楽天グループ(会員数1億人超)、スマホ決済の「ペイペイ」(5000万人超)といった大手が、様々な店舗で利用できるポイントをそれぞれ発行し、独自の経済圏を構築している。
顧客の囲い込み競争は激しくなっており、19年にはKDDI(au)とローソンが資本・業務提携を結び、auが自社のポイントをローソンなどで使える共通ポイント「Ponta(ポンタ)」に統合するなど、再編も起きている。今回の国内最大級となる提携は、さらなる再編の呼び水となる可能性もある。
資本・業務提携の要点
▽Tポイントの運営会社の株式をCCCが60%、三井住友グループが40%保有
▽2024年春をめどにTポイントとVポイントを統合し、新たなブランドに
▽Tポイント提携店やビザ加盟店の利用でポイントがたまる
▽ポイントがたまりやすいスマートフォン決済サービスを検討