報酬20万円で1カ月間にわたり私生活の動画を撮影、収集する社会実験を計画しているIT会社「Plasma(プラズマ)」(東京都目黒区、遠野宏季社長)は18日、参加希望者の一部(約500人)に対し、別の参加者のメールアドレスが見られる状態でメール送信するミスがあったと発表した。【吉田卓矢/統合デジタル取材センター】
同社によると、ミスがあったのは17日午後11時ごろに送信したメールで、書類選考に落ちた人に落選を通知するメールだった。複数人にメールを送る際、本来「BCC」で送らなければならないところを、誤って「CC」で送り、他人のメールアドレスが見られる状態になっていた。遠野社長自身がメールを送信。直後に自分で気づき、メールで謝罪した。今後、1人当たり1万円の賠償金を支払う予定という。
同社は、個人宅の居間やトイレ、脱衣所などに複数台のカメラを設置して約1カ月間、行動を撮影し、個人が特定できないように顔や体などをマスキング処理した上で、動画の一部を企業に提供し、ヒアリング調査によってビジネスの可能性を探る社会実験を計画。報酬20万円で今月15日まで参加者を募集し、1311人が応募していた。
同社は今後、メールを自動化するほか、個人情報の取り扱い方針を弁護士と見直し、再発防止に努めるという。一方、社会実験については、当初の予定通り、書類選考と面接で対象者を5人に絞り、25日から実施する予定という。
遠野社長は「応募者と関係者の皆さまに大変なご迷惑をおかけしてしまった。個人情報を扱う社会実験での、今回のミスを大変重く受け止めており、社内体制を早急に見直す」と話した。