「LINEモバイル」9月5日サービス開始、月額500円~

LINEは、MVNO型の携帯電話サービス「LINEモバイル」を9月5日より提供する。LINEの通信量が無料になる「LINE FREE」プラン(1GB)が月額500円~。FacebookやTwitterが無料になるプランもあわせて用意される。当初は2万件に限って受け付け る。10月1日から正式に提供する。契約できるのは18歳以上のユーザー。

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新たに設立されたLINE子会社のLINEモバイル株式会社(代表取締役社長:嘉戸彩乃氏)が提供する「LINEモバイル」はNTTドコモのネットワーク を利用するサービスとなり、実現にあたってはMVNE(MVNO支援事業者)としてNTTコミュニケーションズのサポートを受けている。本誌では嘉戸氏お よび、LINE株式会社取締役CSMO(最高戦略・マーケティング責任者)の舛田淳氏にインタビュー記事もあわせて掲載している(※関連記事)。

□2つのフリーを核に

プランは大きく分けて「LINEフリー」と「コミュニケーションフリー」の2つ。LINEフリーはLINEの通信量が無料になるもので、その他の通信は 月間1GBまで利用できる。FacebookやTwitterの通信量が無料になる「コミュニケーションフリー」は無料対象外の通信量として3GB、 5GB、7GB、10GBの4種類がラインアップされる。LINEフリー、コミュニケーションフリーどちらも音声通話対応のプラン(最低利用期間:1年 間)も選べる。通話定額サービスはない。

【お詫びと訂正 2016/09/05 15:47】
記事初出時、LINEフリーに関して「LINEの通信は月間1GBまで利用できる」としておりましたが、正しくは「その他の通信は月間1GBまで利用できる」です。お詫びして訂正いたします。

通信量を使いきった場合、通信速度が200kbpsに制限されるが、後述する無料対象の機能は高速通信で利用できる。

また通信量を追加(チャージ)することもできる。価格は0.5GBで500円、1GBで1000円、3GBで3000円。使いきらなかった通信量は翌月まで繰り越せる。

「LINEフリー」は初めてスマートフォンを使うユーザーやライトユーザーの利用を、そして「コミュニケーションフリー」はヘビーユーザーを含めた幅広いユーザーの利用が想定されている。

当初、音声通話とデータ通信プランの切り替えはできない。データ通信プラン内では、3GB→7GBといった容量の変更、あるいはLINEフリーからコミュニケーションフリーへの変更はできる。

コミュニケーション以外の音楽などのコンテンツの通信量を無料にするプランは今後、ユーザーの動向を踏まえて検討していく。

データ残量や利用料金などは、LINEにおけるLINEモバイルの公式アカウントで確認できる。

■通信量が無料になるもの、ならないもの

通信量が無料になるサービスをLINEでは今回「カウントフリー」と呼ぶ。LINEフリーで通信量無料(カウントフリー)になるのは、LINEのトーク 機能、タイムラインなどだ。音声メッセージのやり取りや、LINEユーザー同士のIP電話やビデオ通話も含まれる。一方、対象外になるのは、ライブスト リーミングの「LINE LIVE」、ゲームや音楽、LINEニュースなどLINEアプリ以外のアプリサービス、友人から共有された外部リンクへのアクセスだ。

コミュニケーションフリーでは、LINEフリーの機能に加えて、TwitterやFacebookのタイムライン機能、メッセージなどが無料対象になる。

コミュニケーションフリーでの無料対象外は、ライブストリーミング(Facebook Live、メッセンジャー、Twitter/Periscope)や、外部リンクへのアクセスだ。

無料対象のサービスは、アプリだけではなく、Webブラウザで利用した場合もカウントフリーになる。

たとえばAPIを用意して他社でも同様のサービスを提供するようにするかどうかという点については、LINEではその予定はない、としている。これは契 約者と利用者を把握できるようにするため。未成年と成年のデータベースの設計など課題は多く、まずはLINEモバイルで精度を上げていくことを優先する。 そのため他社への機能開放はまだ検討段階にない、という

■カウントフリーはMVNEで提供

カウントフリーを実現するため、LINEモバイルはMVNEであるNTTコミュニケーションズに委託して、ユーザーの通信内容のうち、IPアドレス、 ポート番号、パケットヘッダの一部(テキストや動画・画像などのデータ内容を含まない部分)を機械的、かつ、自動的に識別し、カウントフリー対象かどうか チェックしている。

契約時には、カウントフリーに関する説明書が用意され、同意しなければ契約できない流れになる。

■その他の特徴

LINEモバイルでは、カウントフリーのほか、いくつかの機能を特徴として打ち出している。他のMVNOではできない機能の1つはLINEでの年齢認証とID検索。18歳以上のユーザーであればID検索できる。

LINEにおける年齢認証とID検索データプレゼント月額利用料の1%がLINEポイントにフィルタリングサービスの無償提供

またSMS認証やFacebook認証なしでもLINEアカウントを作成できる。

月額利用料の1%がLINEポイントとして付与される。LINEポイントはスタンプなどの購入のほか、他のポイントやAmazonのギフト券に交換したり、現金化したりできる。

LINEで繋がる友だちがLINEモバイルのユーザーであれば、パケット通信量をシェアすることも可能だ。

契約は18歳以上でなければならないが、18歳未満のユーザーが利用することも想定し、契約時には「契約者」と「利用者」をそれぞれ分けて登録できる。 利用者が18歳未満であればID検索の対象外になる。またフィルタリングサービス(デジタルアーツのiフィルター)、が無料で提供される。

■端末セットも用意、“LINEフォン”はなし

契約には本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)、クレジットカードかLINE Pay、メールアドレスが必要になる。MNPで他社から乗り換えることもできる。

当初の販路はLINEモバイルのWebサイトのみで、店頭販売は行われない。

SIMカードだけの購入のほか、SIMロックフリー端末のセットも用意される。ただし、“LINEフォン”と呼べるようなLINEオリジナルの機種はな く、他のMVNOでも取り扱われている機種になる。また各機種には、LINEアプリを含めLINEのコンテンツはプリセットされない。

そのラインアップは、富士通製の「arrows M03」(3万2800円)、ファーウェイ製の「P9 lite」(2万8800円)、ZTE製の「Blade V7 lite」(2万2800円)と「Blade E01)(1万3800円)、ASUS製の「ZenFone GO」(1万9800円)と「ZenPad 7.0」になる。1万円台前半の格安な機種~防水防塵耐衝撃をサポートする国内メーカーの機種まで取り揃えた格好だ。

■ミスマッチを解消する

2年かけて検討し、ユーザーがMVNOのサービスを受け入れるかどうか、タイミングを見計らった上で今回参入することになったというLINEモバイル。 サービスの内容や背景に関して本誌では、舛田氏および嘉戸氏へのインタビューを掲載しており、そちらも参照いただきたい(※関連記事)。

5日に行われた記者説明会において、LINEの舛田氏は「スマートフォンは今やなくてはならない不可欠なもの。しかし、それでも日本における普及率では半数近くの人がまだ使っていない」と語る。

さらにスマートフォンをもう使っていても、コンテンツがリッチになる現在、ヘビーに使えば通信量制限に悩み、ライトユーザーにとっては使い切れないサー ビス内容になっている、と語る舛田氏は、単に安いサービスにするのではなく、ユーザーにとっては最適な価格で提供するとする。

スマートフォンに乗り換えたい人、すでにスマートフォンを使っている人どちらにとっても、価格や品質でニーズとのミスマッチがあり、そこにプラスアルファが求められているのではないかということで、LINEモバイルでサービスを提供することになったと説明する。

嘉戸氏は「カウントフリー」のフリーには、自由、複雑な条件がないといった意味があるとした上で、自由でシンプルなサービスを提供すると述べる。今回は 「LINEモバイル 1.0」、つまり第1弾であり、準備が整い次第、LINE MUSICの通信量も無料対象にするプランなど、新たなサービスを追加していく。

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