「NHKが映らないテレビ」誰でも安く実現する方法

「ソニーが『NHKが映らないテレビ』を発売する」――こんな話題が一部で盛り上がっているようだ。

その実態はソニーマーケティングが「ブラビア」シリーズとして発売する業務用ディスプレイ「BZ35F/BZシリーズ」。大画面向けのAndroid OSとなる「Android TV」を搭載するため、ネット動画サービスであれば視聴できるが、テレビチューナーは非搭載のためNHKは受信できず、よって受信料の支払い義務もない。

「NHKの受信料を払う必要がないテレビ(っぽいもの)」としていくつかのメディアが取り上げているが、勘の良い読者もお分かりのように、これは「Android TV搭載ディスプレイ」であって、いわゆる「テレビ」ではない。

また、BZ35F/BZシリーズは業務用途であることから、43型の最安モデルでも約9万3000円(税込、以下同様)と安くなく、簡単に手が出るものでもない。

そこで、本記事では同様(Android TV)の機能を持つ「NHKが映らないテレビ」を、もっと安く実現する方法を紹介する。

●ディスプレイと端末を用意

用意するものは基本的に、「HDMI入力ができるディスプレイ」と「Android TV端末」の2つ。インターネットを利用するので、Wi-Fiルーターなど無線インターネット環境は自宅に導入済みとする。

23型程度のディスプレイであれば、Amazonなどネット通販で1万円ほどで購入できる。31.5型でも2万~3万円ほどで、40型以上は最安でも5万円が相場というところ。スピーカー内蔵モデルであればディスプレイだけでもいいが、内蔵しないモデルであれば別途スピーカーも用意しよう。

Android TV端末としては、CCC AIRの「Air Stick 4K」が1万580円で購入できる。4K60pやHDR 10などの出力に対応するハイエンド仕様が魅力だ。Chromecast機能にも対応するため、スマホで開いたYouTubeの映像をワンタップで端末へ転送することもできる。

また、Android TV端末ではないが、Androidがベースの「Fire OS」を搭載するAmazonの「Fire TV Stick」(4980円)もある。デフォルトでは「Amazonプライムビデオ」などをインストールできないAir Stick 4Kに対し、Amazon製であることから各Amazonコンテンツを視聴できるのがFire TV Stickの強みとなる。

●端末をディスプレイに挿すだけ

いずれの端末も利用方法は、ディスプレイのHDMIポートに端末本体のHDMI端子を挿すだけだ。

後は各端末のマニュアルに従いセットアップをすれば、端末付属リモコンでの操作が可能になる。

筆者は4K50型の液晶ディスプレイをリビングに置き、Air Stick 4Kを挿して利用している。使用感としては、「ディスプレイ側の操作をAir Stick 4K用リモコンではできない」以外は至極快適だ。

見られるものは先ほども述べたように動画配信サービスなので、極論すればPCやスマホで動画を見るのと変わらないといえば変わらないのだが、リビングのディスプレイに動画を映すのはPCやスマホとはまた違った体験になる。

テレビはテレビで、NHKや民放がそのとき放送している番組を見られるのが魅力ではあるが、Android TVであれば「Hulu」や「Netflix」などで自分の好きな映画や番組のシリーズを好きなだけ視聴できる。

また、ライブストリーミングサービスである「Abema TV」を利用すればAbema TV独自コンテンツの他、ANN系の報道番組も視聴可能だ。

民放の見逃し配信サービス「TVer」も使いたいところだが、残念ながら2018年7月現在、Android TVアプリとしては提供されていない。

主題が「NHKが映らないテレビ」だったのでディスプレイでの活用を紹介したが、NHKを映さないことにこだわらなければ、HDMI入力のあるテレビでもAndroid TV端末はもちろん利用できる。あるいはAndroid TV機能をデフォルトで搭載するテレビの「ブラビア」シリーズを購入すれば、1台のリモコンで地上波・BS・CSとAndroid TV側の操作が完結できるので、買い替えのタイミングであればこちらを検討してもいいだろう。

テレビにせよディスプレイにせよ、Android TV端末を挿しておくと、見られる世界が結構変わる。筆者オススメの端末だ。

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