「UFOは本物で脅威だ」米軍が報告書提出へ 米軍の1000年先をゆく“驚異の技術能力”

UFO(未確認飛行物体)は、米国の安全を脅かす可能性がある」

米国の大衆紙「ニューヨーク・ポスト」電子版16日に掲載された記事の見出しだ。

米国政府は、UFOに関わる報告を25日(現地時間)に議会に提出する予定だが、それに先立って16日に米議会の機密情報隔離施設(SCIF)で、下院情報委員会の委員に極秘扱いの背景説明が行なわれた。

「びっくりする話だったことは間違いない」

この報告で関心が集まっているのは、米海軍が目撃したり記録したUFOが本物かどうか、それならばそれはエイリアン(異星人)の乗り物かどうかということだった。

背景説明を受けた議員たちは、記者団の質問に対して口が重く、情報委員長のアダム・シフ議員(民主党・カリフォルニア州)は「びっくりする話だったことは間違いない」とだけ言った、

その中で、マイク・クイグリー議員(民主党・イリノイ州)は「UFOを目撃したと言っても恥ずかしくなくなったよ」とUFOが現実のものと納得したことを示唆し、こうも言った。

「人々ははじめて、この問題を真剣に受け止められることになったからだ」

UFOは、古くは古代エジプトのパピルス文書にも描写されていると言われ、これまで数々の目撃証言があったが、確実な証拠がなく科学空想小説(SF)の中での話と片付けられてきた。

米軍の100年から1000年先の技術能力を所有

しかし、軍用の熱感知レーダーなど探知技術の発展でUFOの軌跡を正確に捉えられるようになった。ここ数年の間に米海軍が記録しただけでもその数は120回に上り、その軌跡も次第に分かってきた。

その性能は、時速約2万キロ。推進装置や翼もないのに空中や海中を自由に動き回り、地球の重力を遮断する能力があると米軍は推定する。

米軍の技術者は、現在の米軍の100年から1000年先の技術能力を持っていると推測している。

始めはロシアや中国の秘密の偵察機かと疑ってみたが、それにしても先進的すぎるので「地球外生物」つまりはエイリアンの乗り物かどうかが報告の焦点と考えられている。

同紙電子版によると、これについては、説明を受けた議員たちも米軍から確たる証拠は示されなかったようだが、ショーン・パトリック・マロニー議員(民主党・ニューヨーク州)は、UFOが国家安全保障上の問題をもたらすと懸念を表明した。

「この説明のつかない空中現象(UAPー米軍はUFOをこう呼ぶ)は、米軍将兵の安全や米国の国家安全保障上の問題になると我々は真剣に受けとめました。だからこそ、その詳細をより理解する必要があるのです」

こうした議員たちの反応が、冒頭の「ニューヨーク・ポスト」の見出しになったのだ。

エイリアンのものとしか考えられない

つまり議員たちは、このところ米国周辺で多数目撃されているUFOは本物で、米国の秘密兵器でなくロシアや中国のものでもなければ、エイリアンのものとしか考えられず、その意図は必ずしも友好的と考えるべきではないと説明を受けたと考えられるからだ。

25日に発表される表向きのUFO報告がそこまで立ち入って分析するかどうかは不明だが、この報告発表でUFOとその脅威ををめぐる論議が盛んになるのは間違いないだろう。

【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】
【表紙デザイン:さいとうひさし】

タイトルとURLをコピーしました