『ウクライナ』『円安』物価上昇に“緊急対策”指示 “4本柱”の具体策は?

来月1日からは食料品や定番のおやつ、トイレットペーパーに紙おむつまで、幅広い商品の価格が引き上げられます。 東京都内にあるお好み焼き店。小麦粉、天かす、青のりと、お好み焼きの材料となる多くの食材が値上がりしました。 広島風お好み焼『もみじ屋』・津田知紀店長:「(テイクアウト用の容器も)値上がりした。コロナ禍の初めのころは、容器業者さんも安くやってくれたが、石油が上がったり、原材料費の高騰で『どうしても戻させてくれ』と」 物価高の背景にあるのが、ロシアのウクライナへの軍事侵攻。原油や穀物の価格が高騰し、さまざまな物の値段に跳ね返っているのです。さらに、急激な円安が物価高に輪をかけています。いま、世界中の投資家は資産を利回りの良いアメリカに向けていて、「もう円は要らない」と円を手放しています。結果、円の価値は急激に下がり、輸入品の高騰につながっています。 こうしたなか、岸田総理は、物価上昇に対応する“緊急対策”を策定するよう、関係閣僚に指示しました。『原油高対策』『食料品対策』『中小企業支援』『困窮者支援』の4つの柱です。 原油高対策をめぐっては、現在の補助金に加え、与野党内からガソリン税を一時的に引き下げる“トリガー条項”の凍結解除を求める声が上がっています。ただ、岸田総理は慎重姿勢のようです。 政府関係者:「トリガーの凍結解除は、税制の改正が必要になるので、すぐにできるものではない」 自民党関係者:「岸田総理は補助金をやっているのに、さらにトリガーだと言われて困っている」 また“緊急対策”とはいうものの、具体的な中身の議論は、あくまでこれからです。 山際経済再生担当大臣:「今後、総理のもとに、関係閣僚会議を設置し、私を中心に関係省庁と連携し、与党の意見もよくうかがいながら、具体策の検討を進めていく」 物価高が続くなか、年金生活者などに1人当たり5000円を支給する支援策を検討していた政府・与党ですが、自民党の高市政調会長は29日午後、白紙に戻す考えを示しました。 自民党・高市政調会長:「令和3年度の予備費を使えば、4月から補填することができたが、反対意見も多く、結局、タイミングを逸したので、4月からの補填はもうないということでございます」 与野党から「参議院選挙に向けたバラマキだ」といった批判が上がっていて、見直しに追い込まれた格好です。 自民党・高市政調会長:「セーフティーネットの強化という面では、いまの物価高や原油高の影響を受ける方々ということで、対象をどなたにするのか、ゼロベースで党内で議論する」 山際経済再生担当大臣:「今年は参議院選挙があることが、もう決まっているので、その時間的制約のなかで、どのような形が取りうるかというのは、まさに、きょう指示が下りてきたところ。これからしっかりと与党とも相談しながら詰めていきたい」

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