バブル期の’89年に入社したサラリーマンの悲哀を描き、「やられたらやり返す。倍返しだ!」の名台詞でお馴染みのドラマ『半沢直樹』で、再び注目されつつあるバブル入社組。’89~92年に大量採用され、“花のバブル入社組”とも言われた世代だ。
そんなバブル景気のなかでも、採用数が急激に増えはじめた’89年。どのような業種で大量採用がおこなわれていたのか、当時の大量採用企業ランキングを見てみると、1位を獲得したのは、現在のNTT・日本電信電話の2200人。そのほか日本IBMや日立製作所、富士通などの成長局面にうまく入っていた電機メーカーが1000人以上。
また、銀行や証券会社などの金融機関においても、700人前後の採用を行っていた。ほかにも、建設・不動産業界、自動車メーカーなど軒並み企業の調子が良かった当時。就職氷河期といわれた世代からするとうらやましい限りだが、大卒なら44歳以上の彼らが今まさに、半沢直樹よろしく会社員として岐路に立たされているというのだ。
SPA!では、’89年~92年入社世代を「バブル入社組」と定義し、実際にその世代の上司を持つ人にまず話を聞いてみた。すると出てくるのは悪評の数々。
「バブル入社組は女のコに目がない。取引先だろうと社内だろうと、顔がかわいい若いコならとりあえず飲みに誘うという年甲斐のなさ」(36歳男性・メーカー)
「イケてないバブル入社組の人ほど、昔話や自分の武勇伝を語るのが大好き。飲みに付き合うのが苦痛です。あと、やたらと高い店に行きたがるのもこの世代の特徴ですよね」(40歳男性・PR)
見えっ張りで、浪費家など、下からは典型的な「イヤミな先輩」と思われているケースが多い。また、好景気の大量採用で人数が多いのもこの世代の特徴だ。
「バブル入社組は数年早く生まれただけで、就職で楽をしている他の世代と比べても、圧倒的に無能が多い」(39歳男性・電機)
「出世したくともこの世代の先輩や上司が多すぎてなかなか上にいかない。まさに壁となる存在」(38歳男性・銀行)
大量採用がゆえにダブついた彼らの存在が、アラフォー世代にとって足枷になっているのだ。そして、それだけ終わらず「責任を下に擦り付ける」「人の出世の邪魔をしようとする」などと露骨に足を引っ張ってくる者までいるという。
当然ながら、部下からの信望も厚い半沢直樹のようなバブル入社組は、ほんのひと握り。果たして、社内でダブつき疎まれているバブル入社組の悲惨な内情とはいかなるものなのか? 9/3発売の週刊SPA!に掲載されている特集「[花のバブル入社組]悲痛なリアル」では、銀行・家電・自動車・証券・建設業界などを徹底取材し、「下の世代から見た、バブル入社組たちの現状」を克明にリポートしている。
また、「アラフォー世代とバブル入社組との共存方法」も考察し、これからの会社のあり方にも言及しているため、「半沢直樹のような上司が欲しい」と思っている方には読み応えのある内容になっている。 <取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/テラムラリョウ>