『幻の将軍・徳川家達』の話

家達は、15代将軍・徳川慶喜(江戸幕府最後の征夷大将軍)よりも前に、15代将軍になるはずだった人物だという。14代目将軍の家茂が亡くなったとき、家達はまだ3歳。まだ幼いため、慶喜へと将軍の座を渡し、成長した後に継ごうとしていた。しかし、大政奉還が行われ、明治政府に政権を返上することに。このことにより、慶喜が名を残すことになり、家達は歴史から消えてしまう。そんな彼に、中田は「まさに悲劇の人物」と評した。

 「その後、いち貴族として徳川家は存続。家達は政治家になって名を残そうとしたそうです。彼の頑張りもあって、初代東京市長の内定直前までいったものの、勝海舟の反対にあって頓挫。さらに、数十年後、天皇陛下からの指名で総理大臣になるチャンスもありましたが、これも徳川一族の『失敗したら徳川家の立場がない』と反対があり、なくなってしまったそうです」(芸能ライター)

 そんな彼に最後のチャンスが訪れる。それが、1940年の東京オリンピック。組織委員会の委員長に就任した家達は、今度こそ名を残すと思われたが、日中戦争などによってオリンピックが中止に。開催されるはずだった1940年に家達は病で亡くなってしまう。家達の死後、彼が住んでいた広大な敷地は国によって買収されてしまう。その土地というのが東京・千駄ヶ谷。千駄ヶ谷は、東京オリンピックのメイン会場・新国立競技場がある場所で、最後に中田は「(千駄ヶ谷は)すべての夢を奪われた家達の住んでいた場所。2020年の東京オリンピックは無事に開催されるのでしょうか? それとも家達の怨念が……(中止に追い込むのか)信じるか信じないかはあなた次第です」と結んだ。

 ネットでは、この話を覚えているという視聴者の書き込みが相次いでおり、「コロナでオリンピック開催が危ぶまれると聞いて、真っ先にこの話を思い出した」「鳥肌立った」といった声がある。都市伝説はあくまで噂話。この話が現実にならないことを願いたい。

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