『2019年ブレイク芸人』1位はりんごちゃん、持ちネタのギャップものまねでブレイク

22日に“令和”初の漫才日本一を決める『M-1グランプリ2019』(ABC・テレビ朝日系)が生放送され、お笑いコンビ・ミルクボーイが5040組の頂点に立った。様々な意味で世間の話題をさらった今年のお笑い界であったが、ORICON NEWSではこの1年間を振り返る恒例の『2019年ブレイク芸人ランキング』を発表。今年は、ギャップものまねでお茶の間の話題をさらった【りんごちゃん】が首位に輝いた。

■かわいいルックスから豹変、“ギャップものまね”で一躍「時の人」に

 1位の【りんごちゃん】は、今年の1月に出演した『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)がブレイクのきっかけとなり、一躍、時の人に。「ミュージック、スターティン!」のかわいらしい掛け声やルックスからは想像できない、野太い声で武田鉄矢や大友康平の曲をそっくりに歌う“ギャップ”が人気の理由で、世間に大きなインパクトを与えた。

 モノマネ以外にも、年齢を聞かれると「りんご31個分」と答えるなど“定番のトークネタ”があり、“イジリのツボ”が確立されていることから、トークでも明石家さんま、ダウンタウンらバラエティの人気司会者からもかわいがられている。その勢いで「Yahoo!検索大賞2019」のお笑い芸人部門賞を受賞。モノマネ番組以外にも、芸能イベントやバラエティ番組に引っ張りだこで、大忙しの1年だった。

 ユーザーコメントでは「ギャップが激しく驚きました」(大阪府/20代・女性)と容姿と歌声の“乖離”が印象的だったと答える人が多かった。だが、「見た目とのギャップを活用した一発芸的と思ったら多彩でしかも質が高いモノマネが良かった」(埼玉県/40代・男性)、「最初見た時は衝撃でした。歌も上手いし、バラエティでも体を張るしこれからも長い活躍になるように応援します!」(新潟県/40代・女性)と、ルックスだけではなく、モノマネの質もしっかり評価されての首位獲得となったようだ。

 映画『ラスト・クリスマス』のトークイベントでは「来年はレパートリーに期待してほしい。モノマネに限らず新しいりんごちゃんを見てもらう年にしたい。乞うご期待です!」と来年の抱負を語っており、一過性で終わらない活躍が期待される。

■4月に東京進出の若きM-1グランプリ王者 CM、TV出演本数伸ばしブレイク

 『2019年上半期のブレイク芸人』では1位だった【霜降り明星】が最終結果では2位に。昨年の『M-1グランプリ2018』で14代目王者に続き、今年は『R-1ぐらんぷり2019』で粗品が優勝。さらに5月7日放送の『ものまねグランプリ特別編』(日本テレビ系)では、せいやがサザンオールスターズ・桑田佳祐や武田鉄矢などのものまねで優勝を果たした。

 せいやが「お笑い第七世代」を言い出したことでも知られ、20代の若手芸人の旗振り役としてお笑い界をけん引。勢いに乗って、『霜降りバラエティ』(テレビ朝日)、『霜降り明星のあてみなげ』(静岡朝日テレビ)、『霜降り明星のオールナイトニッポンZERO』(ニッポン放送)など、冠番組も続々とスタート。また、『衝撃のアノ人に会ってみた!』(日本テレビ系)のほか、『おはスタ』(テレビ東京系)金曜レギュラーとしても活躍している。

 各番組では粗品はギター、ピアノ、ドラムなどを演奏できる音楽の才能や、実家の焼き肉店で学んだ料理の腕前を披露。せいやはいじめを笑いで克服した美談や、タレント・壇蜜と偶然、人命救助を行うなど日頃からエピソードの引き出しにも事欠かなかった点も人気を押し上げた。その結果、テレビ出演数は昨年の59本から307本【248本増】となり『2019テレビ番組出演本数ランキング』(ニホンモニター調査)で1位に。『2019年TV-CM急上昇ランキング』(エムデータ調査)によると4社のCMに出演し、2位にランクイン。お茶の間に定着し、今年の活躍を見るとしっかり東京進出に成功したといえる。

 そんな彼らに「バラエティでよく見て面白かったので」(千葉県/20代・女性)とのコメントも多いが、「M-1、R-1での結果をベースにどこに行ってどんな闘いも先輩相手に互角に渡り合っている」(大阪府/40代・男性)と『M-1』『R-1』の2冠が物語るように、お笑いの実力が高い点も視聴者に評価されている。

 粗品は“スプーンに映った小栗旬”として知られるが、来年1月6日スタートの月9ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)に出演決定。一方、せいやも1月スタートのドラマ『テセウスの船』(TBS系)で出演が決まり、2020年はそれぞれドラマという新たなフィールドでの挑戦にも注目が高まる。

■“TT兄弟”がメディアで引っ張りだこに、絵本発売で子ども人気も拡大

 昨年3位、上半期で2位にランクインした【チョコレートプラネット】が、2019年もTOP3に。昨年は松尾駿によるIKKO、長田庄平による和泉元彌のWモノマネに注目が集まったが、今年は「TT兄弟」でブレイク。「TT兄弟」としてCMや企業のイベント等で数多く登場し、11月には『TT兄弟のきえたTをさがそう!! 』(ワニブックス)として絵本も発売するまでに。屈託ない笑顔で世の中にある「T」の付くものを探すコミカルな姿で子どもからの人気も非常に高い。

 「TT兄弟」は、「ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネートも期待を持たれていたが、選外。『キングオブコント』では2019年は準決勝に終わるなど、コンビとして話題や実力に熱い視線が注がれるものの、“無冠の帝王”と悔しい思いが続いている。

 だが、ものまね、トーク、リアクションもマルチにこなすポテンシャルの高さで、4月からは『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)火曜レギュラーに。映画『トイ・ストーリー4』の声優もコンビでこなし、多方面で活躍している。『2019テレビ番組出演本数ランキング』も昨年より123本増で7位にランクインした。

 そんなチョコプラに「TT兄弟とIKKO、和泉元彌のネタがすごい流行ったから」(神奈川県/30代・男性)とやはりネタのインパクトは絶大。さらに「1つのネタにこだわらず、日々新しいネタでお茶の間を沸かせていたため」(千葉県/10代・男性)、「チョコプラがロケに参加しているだけで面白くなるから」(新潟県/20代・女性)と“平場に強い”潜在能力の高さが称賛されている。

■「男前」&「ブサイク」No.1、お笑い第七世代らが多数ランクイン

 12月18日に発表された『よしもと男前ブサイクランキング2019』の男前とブサイクの1位がTOP10内にランクイン。【EXIT】は上半期の4位を年間でもキープ。チャラ男漫才で女性ファンからも人気が高く、“かねちー”こと兼近大樹は『男前ランキング』で初首位を獲得した。12月28日には、コンビ結成2年で初の地上波冠番組『EXI怒』(テレビ朝日系)の放送が決定している。準レギュラー番組も3本あり、来年以降さらにレギュラー番組が増えていくと期待される。20代では1位に選ばれ、「チャラいけど真面目なところがいい」(東京都/20代・女性)、「アイドル並みの人気」(神奈川県/20代・女性)など女性人気が非常に高い。

 7位の【アインシュタイン】は昨年から露出が増えていき、現在のレギュラー番組は6本。ABCテレビで放送の『今ちゃんの「実は…」』は、千鳥の番組卒業に伴いコーナーを引き継いでいる。『ブサイクランキング』1位の稲田直樹は、ピンでも徐々に注目され、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「稲ちゃんカッコイイ芸人」が放送され、「僕は生まれ変わっても僕でありたい」のような名言の数々でも知られている。稲田と“男前”3位の河井ゆずるとの名コンビぶりに「文句なくこの人たち。一発屋でなく、自力があると思う」(兵庫県/50代・女性)と期待の声が寄せられている。

 そのほか、事務所は違うが霜降り明星、EXIT、四千頭身、ミキらと同様「お笑い第七世代」の【宮下草薙】が5位として初登場(上半期にはランクインなし)。ブレイクのきっかけは2018年1月1日に出演した『おもしろ荘』(日本テレビ系)。その後、テレビ朝日の名プロデューサー加地倫三氏の目にも留まり、『アメトーーク!』『ロンドンハーツ』への出演が増え、認知度も徐々にアップ。オドオドした天然ぶりが注目され、先輩の有吉弘行からイジられる草薙に注目が集まりがちだが、「草薙がバーンと出て、宮下もじわじわ来てる」(愛知県/30代・女性)というコメントもあり、来年はコンビ揃ってのブレイクがさらに期待できそう。

 TOP10内に上半期にはランクインしなかった芸人が4組も登場(りんごちゃん、宮下草薙、アインシュタイン、四千頭身)。12月22日には『M-1グランプリ 2019』の放送があり、「ミルクボーイ」が過去最多5040組の頂点に立ち、第15代王者に輝いた。また、決勝に進出した「ぺこぱ」は年始恒例の『おもしろ荘』(日本テレビ系)で優勝しており、次回の放送も新たなスターを輩出する可能性が高い。今回の『M-1』の若手の活躍から、お笑い界にも地殻変動が起きる予感。来年の上半期のランキングが今から楽しみだ。

【調査概要】

調査時期:2019年11月15日(金)~11月25日(月)

調査対象:計1000名(自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女)

調査地域:全国

調査方法:インターネット調査

調査機関:オリコン・モニターリサーチ

タイトルとURLをコピーしました