これまで執筆した書籍の累計販売部数は550万部超、LINEの公式アカウントの登録者数は約150万人! いま、芸能界最強の占い師と言われる、ゲッターズ飯田の実績だ。
20年以上に渡り、紹介があれば無償で占いを続けてきた彼は、折に触れてその理由を「ただおもしろいから」、と語ってきた。彼がいま改めて思う「占い」の原点とは? かつての思い出を振り返った。
運気の良くなる逸話
この本は『ゲッターズ飯田の開運ブック60タイプ別開運のための3ヵ条』と『ゲッターズ飯田の開運ブック お金・結婚・出世を叶える法則』の2冊を合わせた本になっています。約7年前に出した本で、現在は120タイプ別での性格や運勢を伝えていますが、この段階ではまだ60タイプ別となっています。
ゲッターズ飯田の頭の中では処理ができても、本に書いて出すことの難しさや売れるために工夫をしなければならない、まだ試行錯誤している頃の本でもあります。そのため、若干アドバイスや内容が古い感じや今とは違う部分もありますが、その後の、『ゲッターズ飯田の五星三心占い決定版』や『運命の人の増やし方』に繫がる本だと思って頂けたら幸いです。
特に、開運3ヵ条は、現在の年間本内にある3ヵ条もここから来ており、長い文章を読んでも「結局何していいのか分からない」、とならないように「最低でもこの3つは守ってください」とわかりやすくしたものが現在でも残っている部分です。
「開運」と聞いて皆さんはどんなイメージを持たれるか、人それぞれだと思いますが、開運とは、日々の行いや考え方でできるものだと気付ける、以下のエピソード、「運気の良くなる逸話」が、この本を作るきっかけになりました。
生き方一つで人生が変わってくる、考え方一つで人生は良い方向に進むもの、人として大切なことをしっかりする、当たり前で当然なことをおろそかにしていては、運は味方しない。
運とは、開運とは、人であり人間関係だと理解ができると、この本で記したこと以外の開運方法もいくらでも見つけられると思います。この本を読まれて意外だと全く思わず、日々行っている人だとしたら、既にいろいろな人に助けられて恵まれた人生を送っている人かも知れません。
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運気の良くなる逸話 ~ 起業を夢見る貧乏学生の苦難
「運がいい」は、自分で作れます。日々の生き方で、運は変わってくるもの。ある会社の社長さんと出会って、聞かせていただいた話です。
その社長さんは、よく「自分は運がいいからね」といろんな話をしてくれます。
ある時、学生時代の話をしてくれました。
「貧乏学生で、親もお金がなかったから大学にはほとんど行かないでバイトばかりやっていましたよ。いつか起業しようと思って、バイトのお金は空き缶に詰めて貯めていました」
社長さんは、ボロいアパートに住んで朝の新聞配達から始まり、皿洗いや夜の仕事など、いろいろバイトをやっていました。毎朝、挨拶を交わす大家のおばあさんに元気に挨拶をして、将来の夢を熱く語ったりする希望に満ちた青年でした。
しかし、ある日のこと、家に帰るとアパートの周辺に人だかりができていました。すぐに、嫌な気配がしたそうです。そのアパートは火事で全焼していました。すべての物が燃えてなくなってしまい、呆然とするしかありません。もちろん、これまで貯めていたアルバイトのお金も燃えてなくなってしまいました。
「なんて自分は運がないんだろう」
社長さんは、そう思って落胆し涙を流したと言います。火事は、老朽化と漏電が原因だったらしいので、気持ちのやり場もありません。
「運がいい」と信じることが成功へと繫がる
数日後、大家さんが訪ねてきました。
「真っ黒に焦げた空き缶の中に、数万円が焼け残っていたよ」
と大家のおばあさんが持ってきてくれたのです。
「なんてツイているんだ!」
その時、社長の考えは一変したようです。
「それからは、“自分はなんて、運がいい”と思うようになったんですよ」
社長は、火事になってもお金は戻ってきたので「自分は運がいい!」と確信して、起業するためにさらに一生懸命バイトをしました。そして、運の良さを味方につけて、努力を重ねて起業し成功を収めたのです。
「飯田君も“運がいい!”と思ったほうがいいですよ。運は、“運がいい”と言うと味方してくれるから!」
社長さんのその言葉がとても印象的でした。
「運がいい!」と確信し、運を味方につけるということ。まさに、この本に相応しい開運のエピソードです。
運が良くなるように生きていくということ
しかし、話はそれだけでは終わりません。この話には続きがあります。
ある日、会社の秘書の採用面接で、とても笑顔が素敵で上品な女性が来ました。その女性の履歴書を見ると、住所が学生時代に住んでいたアパートに近かったのです。
そこで、僕にしてくれたように、「……火事になったけれど、焼け跡から空き缶に入ったお金は出てきた。私は、運がいいですよ」と話したそうです。
すると、その女性は、
「もう他界した祖母から聞いた話に非常によく似ています。昔、祖母がアパートの大家をしていた頃、勉強もしないでアルバイトばかりしているけど、とても素敵な学生さんが住んでいたということです。毎朝、笑顔で元気よく挨拶をして、将来は起業すると夢を語っていたそうです。
しかし、ある日、そのアパートが全焼してしまい、学生さんが空き缶に貯めていたお金も失ってしまったと聞きました。祖母は、落ち込んでいる学生さんを見かねて、焼け跡からそれらしき空き缶を見つけて、自分のお金に煤を付けて渡したと言っていました」
その女性は、おばあさんの孫だったのです。
「挨拶は元気よくしなさい。その学生さんは毎朝元気よく挨拶をしてくれて、とても素敵な子だったから助けてあげたんだよ。あんなに良い子じゃなかったらそんなことはしなかった」
と、よくその女性に言い聞かせていたそうです。
社長は、単純に火事の中からお金が出てきたから「自分は運がいい」と思っていたのに、実はおばあさんに助けられていたのです。
それは、ただ「運がいい」ということではなく、社長が元気に挨拶をして素直に生きていたからこそ起きました。自分で運が良くなるように生きていたということです。結果的に、運を呼び込むように生きていたのです。
挨拶と元気と笑顔、そして出会いを大切に
「ただ挨拶していただけなのに。なんてありがたいことなんだろう」
社長は、“運がいいと思う”ことよりも大切なことを改めて感じ取りました。幸運は自分で作り出せるということです。
運がいい人は、運が良くなるように生きているのです。
その基本となるのは、
一、挨拶をしっかりする。
二、いつも元気よく。
三、笑顔を忘れない。
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これもまた、開運の大切な三ヵ条です。それにしても、自分が所有するアパートが全焼したのに、赤の他人にお金を無償で施すことのできるおばあさんの慈悲深さに驚かされます。おばあさんの厚意が、多くの幸運を今も繫いでいるのです。そんな素晴らしい人との出会いがあったことは、やはり“運がいい”ということになるのでしょうが……。“出会い”にこそ、開運が潜んでいます。
運気とは「時」のタイミングを計ること
運気とは、「時」のタイミングを計ることで、「運」とは、人の心のことだと思っています。開運や運について考えてきて、そう考えることがあります。開運とは、だから、心が開く、ということだと考えています。
運気には、表と裏があって、どちらも長い人で144年、続きます。一生、表運気、一生、裏運気、という人がいるのです。表が良い時期で、裏が悪い時期かというと、そんなことはありません。運気の良い悪いは、人によってそれぞれ違うのです。
ただ、表の時期は、自分の努力は評価されやすい。がんばる時期ではなくて、がんばってきたことが発揮される時期。どれだけ何をしてきたかが、大切になります。貯めてきた運を、一気に使う時期、と言えるでしょう。実力は、評価されます。
これに対して、裏運気の時期は、相当な努力をしてもなかなか評価はされません。不慣れなこと、苦手なこと、辛いこと、悲しいことにも直面しやすい。でも、それは、己を鍛えてパワーアップする時期なのです。いわば、運を貯める時期です。
人は、この表と裏を、ある周期で繰り返します。表の時期が長い人は、裏の時期も長く、その逆も同様です。その周期の最短は1年半、そして前述のとおり、最長が144年です。それでも、「運がいい」と、何があっても言い続けた人に、必ず「運」はやって来ます。ただ、真面目に頑張っている人のほうに、少しだけ早く回ってきます。だから、やっぱり人は、頑張らないといけないのです。
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