【10月17日、さくらフィナンシャルニュース=東京】 10月8日にいよいよ発売されたホンダ(東・大1:7267)のフィットハイブリッド(以下フィットHV)。事前受注では、マイナーチェンジして同時に発売されたガソリンモデルのフィット4000台に対し、なんとHVは1万台にも上ったんだとか。エコカー補助金は終わったのにこの台数…実はかなり注目されていたんですねえ。
これだけ注目されたのは、初のコンパクトカーベースのHVであることと、159万円~(インサイトは189万円~)という低価格でHVが買える、というのが相当大きかったようです。これまで、もっとも安かったのは同社のインサイトで189万円。これを一気に30万円も下回ってきたわけですね。ちなみにこの159万円という金額は、軽自動車のワゴンRスティングレーや、ムーヴカスタムなんかの上級グレードと同じくらいの値段だったりします。
で、HVといえば肝心なのは燃費です。フィットHVは10・15モード燃費で30km/Lを達成しています。…でも、ですよ。よくよくスペック表をみてみると、フィットのほうの1.3Lモデルに、10・15モード燃費が24.5km/Lの「13G」というグレードがあるんです。ガソリンモデルとの燃費差はわずか5.5km/L。「13G」の価格は123万円なので、ハイブリッドの159万円より36万円も安いわけなんですが、そこで思いました。いったいどれだけ走ればこの差額を埋められるんだろうかと。気になったのでさっそく計算してみました。
乗用車の年間走行距離はだいたい9000kmなので、この距離を基準にして両車のガソリン代が1年でいくらかかるのかを考えます。ガソリン単価は全国平均の 132.1円/L(10月14日現在)としました。すると、燃費24.5km/Lのフィットは年間約4万8500円、燃費30km/LのフィットHVは年間約3万9600円かかることになります。ということは、ガソリン代は1年間で8900円ほどフィットHVのほうが安くなるわけですね。
先ほど、両車の差額が36万円と書きましたが、エコカー減税による優遇措置で、フィットHVはフィットよりも2万5600円ほど税金が安いんですね。というわけで、その額を差し引いた33万4400円が、何年で回収できるのかをみてみます。なななんと、実に37年以上!! これじゃ新車から廃車まで乗ったとしても、回収するのは不可能…。
実際には、フィットHVには「ECONスイッチ」と呼ばれるエコドライブに役立つ装備が着いていたり、クルーズコントロールなど上級装備も着いていたり、「13G」とは装備差が結構あります。また、ガソリン単価の上昇や、走行距離の増加によっても回収までの期間は減ります。だからこれほど単純には比較できないんですけどね。
ただ、もしフィットHVの購入動機が、ほかのモデルよりも「燃費が良い」という理由だけなのであれば、再考の余地はあるかもしれませんよ。【了】