給油口の位置
text:Ronan Glon(ローナン・グローン)
多くのメーカーは給油口がどちら側にあるかを示す表示をつけてくれている。メーターパネル内の三角形を探してみよう。
多くの場合、燃料計のすぐ横についているはずだ。この三角形が示す側に給油口は存在する。給油口の位置を示すマーク
フューエルキャップ・ホルダー
給油中、フューエルキャップをどこに置いているだろうか。ルーフの上、リアワイパーの上、それともポンプなどに置いているひともいるだろう。
多くのクルマの給油口の蓋にはプラスティック製のホルダーが用意されている。これを使えば、キャップがぶら下がってボディに傷をつける心配がなくなるのだ。フューエルキャップ・ホルダー
その他にも、キャップの中央に突起が取りつけられ、フラップ内部の穴に差し込んで固定できるタイプも存在する。
路面凍結警告
最近のクルマの多くは路面凍結の危険を視覚的に警告してくれる。外気温度が一定以下に下がると、雪の結晶のようなアイコンが外気温計の横に表示されるはずだ。
メッセージによる警告をしてくれるモデルもあり、これによって路面凍結の可能性を教えてくれる。路面凍結警告
ただし、この表示が出ていないからといって油断してはいけない。例えば、橋は上面と下面から冷たい空気の影響を受けるため、路面よりも凍結しやすいのだ。
クルマは橋に差し掛かっていることを察して教えてくれることはないので注意しよう。
アクティブ・ノイズ・キャンセラー
遮音材の量は各モデルごとにおおむね決められてしまっている。しかし、アクティブ・ノイズ・キャンセラーによりさらなる静粛性、快適性を追求できるのだ。
これは高級ヘッドフォンなどに使われている技術に近いもので、マイクを通して風切り音やエンジン音を検出し、逆位相の音をスピーカーから出すことによって打ち消すという仕組みだ。アクティブ・ノイズ・キャンセラー
漫然運転検知機能
ドライバーの注意力低下を検出する機能は複数存在する。有名なのはメルセデス・ベンツが2009年に投入したアテンション・アシストだろう。
この機能は数分の間のドライバーのステアリング操作を記録する。車線逸脱などのステア操作のミスや、それを適切に修正できているかどうかを判断しているのだ。アテンション・アシスト
同社の研究によれば、ステア修正の遅れや雑さが注意力低下の兆候だという。アテンション・アシストは視覚および聴覚的な警告を発し、ドライバーに休憩を促してくれる。
同様のシステムをアウディ、BMW、フォード、キア、マツダ、ボルボ、そしてフォルクスワーゲンなども用意している。キャデラックはカメラによってドライバーの頭や目の動きを監視する機能を持つ。
自動緊急ブレーキ(AEB)
自動緊急ブレーキ技術(AEB)はカメラまたはレーダー、もしくはその両方を用いて前走車との距離を測定する。
普段はバックグラウンドで動作しその存在を感じることはないが、衝突が差し迫っていると判断するとブレーキにより介入する。自動緊急ブレーキ(AEB)
すべての事故を回避できるわけではないが、その被害を軽減することはできるだろう。衝突時の速度が低下すれば、乗員やクルマへのダメージは小さくなるはずだ。
AEBは欧州で2022年以降に販売される新車に義務付けられる運転支援装備の1つだ。繰り返しになるが、この技術はドライバーの代わりになるものではなく、レーダーを過信して注意が散漫になってはいけない。
隠し小物入れ
クルマには、外から貴重品が見えないようにするための隠し小物入れが複数存在する。その場所はモデルによって様々だ。
時には足元に存在したり、荷室のフロア下であったり、シートの下に存在する例もある。隠し小物入れ(キャデラックATS)
例えば最近のキャデラックでは、クライメートコントロールのパネルの裏側に小物入れが用意されている。
パーキングチケット・ホルダー
一部のモデルには、ウィンドシールドに透明なプラスティックのクリップが取りつけられている。
このクリップにパーキングチケットを挟み込むことにより、駐車料金を適正に払っていることを示すことができる。パーキングチケット・ホルダー
もし標準装備されていなくても、オンラインで安価に購入することができる。
これは決して高い買い物ではないはずだ。わたしは以前パーキングチケットがダッシュボードに入り込み、900デンマーク・クローネ(1万4000円)払う羽目になった。
買い物袋ホルダー
買い物袋のためのフックを最初に採用したのは1996年の日産アルメーラだといわれている。
このプラスティック製フックにバッグをかけることで、熱くて美味しい、そして時には汚れの原因にもなる食べ物を水平に保つことができるのだ。買い物袋ホルダー(ボルボXC40)
多くのメーカーが同様の装備を採用し、写真のボルボXC40ではグローブボックスに取りつけられている。
ワイパーのサービス・ポジション
フォルクスワーゲン・グループをはじめとしたいくつかのメーカーのクルマは、ワイパーがボンネットの下に隠れるため起こすことができない。
ブレードを交換するには、ボンネットを閉め、イグニッションをいったんオンにしてからオフにし、ワイパーレバーを下げると良い。ワイパーのサービス・ポジション
するとワイパーが上がった状態で固定されるのだ。交換が済んだらイグニッションをオンにし、レバーを再び押せば元の位置に戻る。
純正データロガー
キャデラック、シボレー、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェなどのパフォーマンスモデルには純正のデータロガーが装備されている。
これはサーキットでの走行を記録し、自分の走りを後で確認できるのだ。ブレーキやスロットルの操作も記録されている。純正データロガー(シボレー)
システムによっては、各周回のビデオにこれらの情報を乗せることもできる。画像はシボレーのものだ。
実際に走ったり、大事なクルマをタイヤウォールに突っ込ませる危険を冒さずとも、より速く走る方法を研究できるのだ。ただし、これらの機能はしばしば安くないオプションとして設定されている。
隠しメーター
最近のクルマは多くのスクリーンが使われていることにより、通常は表示されないメーター類が多く用意されている。
デジタル式インストルメントパネルに組み込まれているものもあれば、タッチスクリーンのメニューの奥深くに隠されている場合もある。隠しメーター(アウディ)
アウディ・スポーツやダッジなどのパフォーマンスモデルの場合、現在の馬力やトルクがリアルタイムで確認できるものもある。他にはGメーターもしばしば装備されている。
スマートフォンアプリ
専用のスマートフォンアプリと連携する機能を持つクルマが増えてきている。
ボルボ・オン・コールを使えば対応するモデルの施錠および解錠、エアコンの操作、駐車位置の記憶などの多数の機能を使うことができる。ポルシェ・トラック・プレシジョン
ポルシェのトラック・プレシジョン(画像)では、ラップタイムやその他の運転データを記録することができる。
ハンズフリー・テールゲート
最近のモデルには、バンパー下部に取りつけられたセンサーに足をかざすだけでトランクを開けることができるものが存在する。
手が荷物でふさがっているときに便利な機能だ。これがなければいったん地面に荷物を置き、トランクを開けてから再び荷物を持ち上げる必要がある。ハンズフリー・テールゲート
もちろん、他人がクルマにアクセスすることを防ぐためこの機能を使うには鍵を携帯していなければならない。
ヒーテッド・ドアミラー
アイススクレイパーをドアミラーに使うのは、良い案とはいえない。ガラスやハウジングを傷つけたり、内部の機構を破損する恐れがあるからだ。
一部のクルマでは、鏡面にヒーターを内蔵することによりこれを解決している。ヒーテッド・ドアミラー
多くの場合リアのデフロスターと連動しているが、専用のボタンが取りつけられている場合もある。ミラーのスイッチ付近を探してみよう。
OBD2ポート
最近のクルマにはすべてOBD2ポートが備えられている。その場所はモデルごとによってまちまちだが、ダッシュボードの下やセンターコンソールの中に取りつけられている場合が多い。
このポートを使えば、車両に蓄えられた情報に簡単にアクセスすることができる。多くの場合、オンラインで格安で売られているアダプターとスマートフォンアプリさえあれば、エラーコードを解析可能だ。OBD2ポート
鍵の中に隠された鍵
キーレスエントリーは素晴らしく便利な機能だが、バッテリーがなくなれば解錠することはできない。
ロードサービスを呼ぶ前に、電子キーに隠された金属製の鍵を探してみよう。鍵の中に隠された鍵
小さなボタンを押せば取り外せることが多く、これを使えば昔ながらのやりかたでアンロックできる。
サービスインジケータのリセット
自分でメンテナンスを行うなら、サービスインジケータのリセット方法を知っておく必要がある。
どのクルマにも通用する普遍的な手順があるわけではないが、大抵の場合は自分で消す方法が用意されている。オンラインで調べてみよう。サービスインジケータのリセット
例えばルノーの一部モデルの場合、イグニションをオンにし、アクセルを奥まで踏み込み、ブレーキを3回踏んでからメーターパネル内のボタン操作でリセットができる。
これを知っておけば、オイル交換をするたびに整備工場に行く必要もなくなるのだ。
ブランドごとのイースターエッグ
クルマの開発はどんどん複雑かつコストのかかるものになっている。とはいえ、これはクリエイティビティを放棄して良い理由ではない。
一部のメーカーはキャビンやボディにイースターエッグを用意し、クルマを単なる道具にしないための遊び心を残している。ジープ先代ラングラー
ジープは特に顕著だ。現行または先代のラングラー(画像)を見ると、いたるところに初代ウィリーズをイメージさせるデザインが施されている。
テスラも良く使う手法だが、こちらの場合ほとんどがタッチスクリーンのインフォテインメント・システムに隠されている。
前のオーナーの遺物
クルマはオーナーによって育てられるものだ。
今までに見てきた例では、シムカ1100の運転席ドアのパネルにフラッシュライト・ホルダーが取りつけられていたり、プジョー205のボディ下にスペアキーが隠されていたこともあった。隠されたスペアキー(プジョー205)
ルノー4のバッテリー消耗を防ぐためのサーキットブレーカーが取りつけられていたり、シトロエン2CVに木製ベンチシートが取りつけられていた例もある。
さらにはメルセデス・ベンツ300Dのヒューズボックスカバーに家族写真が隠してあったこともある。