見本市といえば新製品と同じくらい話題になるのが美人でセクシーなキャンギャルたち。でも、ビジネスとして見ると彼女らを使うメリットが薄いどころか逆効果であるという結果が出ています。
毎年行われるゲームショーやモーターショーで必ず話題になるのがどのブースにどんなキャンギャルがいたか。一部ニュースサイトでも定番かつ鉄板のコンテンツとしてネットを賑わしていますが、企業の立場からするとプラスにはなりにくいようです。
Frontbackのマーケティングを担当するSpencer Chen氏は自ら見本市のブースを取り仕切った経験から美人キャンギャルがビジネスにプラスにならないと断定します。
Chen氏はとある見本市で重要なふたつのブースを仕切ることがあったのですが、そこでとある手違いから片方のブースにはプロフェッショナルなキャンギャル達の代わりに「おばあちゃん」とよんでいい年代の女性が配置されてしまいました。
Chen氏はこの時非常に慌てましたが、今から人員を交代する余裕はありません。そのままの配置で見本市のブースを運営し続けましたが非常に驚くべき結果が生まれました。
「結果はすごいことになった。キャンギャルのブースは「おばあちゃん」たちのブースの3分の1しか人を集められず、半分以下のセールスリードしか生むことはできなかった。逆に「おばあちゃん」たちは前年度の3倍にも当たる550のセールスリードを生み出したんだ」
Chen氏はこの結果について以下のように分析します。
1.美人でセクシーなキャンギャルの前では男は怖気づく
キャンギャルは人目は惹くが、実際に声をかけて会話を始めるのは男性にとってハードルが上がってしまう。セクシーな格好の美女の前で神経質になってしまうのは男の性なのでどうしようもないこと。
2.キャンギャルはそもそも売る気がない
基本的にキャンギャルはイベントコンパニオンの一種として派遣されてくるもので、その日の給料以上の働きを期待できない。更には技術系の見本市では新技術について学びたい顧客が多いため、ニーズからも外れている。
3.経営者や製品開発責任者はキャンギャルと話さない
予定や目的を持った正当なビジネスエグゼクティブであれば、キャンギャルと遊んでいる暇はなく、同等の知識や責任を持った取引相手との会話を望む。キャンギャルにはそうした層を5分間引き止めておくだけの力がない。
そして結局キャンギャルに寄ってくるのは決済権を持つビジネスエグゼクティブではなく、セクシーな女の子の写真を撮りたいだけの小物ばかりになってしまうとのこと。
Photo by Michael Kwan
元々過剰にセクシーなキャンギャルが女性ビジネスパーソンを遠ざけるという言説はありましたが、それだけにとどまらず足を引っ張るというのがChen氏の意見です。
ネットユーザーにとっては「悲報」と呼べる結果ですが、キャンギャルがいなくなることでゲームやアニメ、自動車などのコンシューマー向けの見本市では、その見本市自体の知名度や注目度が下る可能性も考えるとどちらがよいのかはまだ議論の余地もありそうです。
Booth babes are bad for business – Boing Boing
Booth Babes Don’t Work TechCrunch
(Photo by phatfreemiguel, Michael Kwan)