仙台市を拠点にした特殊詐欺グループでうそのメッセージを送る「打ち子」らが逮捕された事件で、メンバーの報酬が月額数十万円だったことが11日、捜査関係者への取材で分かった。グループが、被害者から詐取した金額に応じて報酬を支払う「歩合制」を採っていたことも判明した。
好待遇を装う
捜査関係者によると、打ち子の報酬は少なくとも20万円で、50万円以上を稼ぐメンバーもいた。リーダーとみられる無職大橋和之容疑者(35)=仙台市青葉区木町通2丁目=は拠点の実績に応じ、上部組織から月200万~300万円を受け取っていたとみられる。
打ち子は一般求人誌を通し「メールオペレーター業務」と称して集められた。24時間体制でメッセージをやりとりし、被害者に金銭を要求するなどしていた。
求人広告に「入社祝い金支給」「髪色自由、ピアス可」といった記載があったことも分かった。県警は、大橋容疑者らが好待遇を装って、メンバーの確保やつなぎ留めを図っていたとみて調べている。
仙台地検は11日、高額当選金の受取手数料名目で電子マネー約650万円相当をだまし取ったなどとして、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪で、大橋容疑者ら7人を起訴した。