【独自】仙台市が宿泊者目標「30万人泊」アップへ 訪日客増を見込み、27年までに「年680万人泊」

 仙台市が2025年度から3年間取り組む新たな観光戦略の中間案で、市内の延べ宿泊者数を最終年の27年までに「年間680万人泊」とする数値目標を盛り込むことが14日、分かった。インバウンド(訪日客)などを見込み、現戦略の目標を30万人泊上乗せする。25年11月ごろの導入を目指す宿泊税の税収を活用し、将来的には700万人泊の突破を視野に入れる。

宿泊税を活用、アニメ生かしたコンテンツ造成も

 宿泊者数はコロナ禍の落ち込みを脱し、23年は4年ぶりに600万人台を回復。24年は過去最高の約624万人だった19年と同水準で推移しており、現在目標の650万人まであと一歩の状況だ。

 市はインバウンドの伸びしろに期待する。外国人宿泊者は680万人の約1割に当たる70万人と設定し、23年の約34万人から倍増を目指す。

 今冬復活する仙台-香港線の定期運航を追い風に、アジア地区へのプロモーションを強化。首都圏を訪れる欧米客も新たに呼び込みたい考え。

 年間約10億円と見込む宿泊税の税収で、新たな魅力づくりに取り組む。(1)漫画・アニメを生かしたコンテンツ造成(2)夜間イベントの期間延長(3)宿泊事業者の人材確保支援-などを展開する。年間15億円前後で推移する従来の観光予算を財源に、祭りの開催支援や大規模展示会の誘致といった施策を継続する。

 数値目標の達成に向け、六つの重点プロジェクトを掲げる。「青葉山エリアの価値の深化」は広瀬川の水辺開発、「アーバンリゾートの推進」は秋保・作並の温泉地の環境整備、「プラス観光の推進」はビジネスや学術を目的とする来訪者の消費拡大をうたう。

 市は22日~12月23日、パブリックコメント(意見公募)を実施。25年3月末までに戦略を策定する。

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