【薬価5万円】新型コロナの特効薬「ゾコーバ」を処方されたけど… / 5類移行でも油断できない

新型コロナウイルスが第5類になってから約1ヶ月……。運悪く、コロナにかかってしまった。

コロナ禍の3年間逃げ切れたと思ったのに、ワクチン4回接種したのに、マスクも手洗い消毒もしてたのに……。街に人増えたしなあ。恨み言を言っても仕方がないが、かかってしまったのである。

今回、私が受診した発熱外来では、新型コロナの特効薬「ゾコーバ」を取り扱っていたので、早く治したい一心で処方してもらった。

5類になってるし、ワクチンも打ってるし、薬もあるならすぐ治るだろう……。

そう思っていたのだが──


・コロナの薬は9月末までは無料だが…

「ゾコーバ」などの新型コロナ薬の患者負担は2023年9月末までは無料になっている。

ただし、まだ新しい薬なので薬価がめちゃくちゃ高くて、1回の処方(5日分)がなんと約5万円! 

自己負担になる10月以降は保険3割負担だと1万5千円、2割負担でも1万円となってしまう。つまり、めっちゃ高い薬なのだ。

コロナにかかったのは最悪だけど、自己負担が無料のうちに処方されたのは不幸中の幸いかもしれない。

5類になってからコロナ陽性の患者さんが急増していると病院も言っていた。今後の参考のために、ゾコーバについて書いておきたい。

先に言っておくと、薬があるからって全く安心できないのだ。


・緊急承認されたコロナの特効薬「ゾコーバ」

塩野義製薬が開発した「ゾコーバ」は緊急承認されて2023年3月31日から一般流通が開始されたばかりの新型コロナ特効薬である。

「ゾコーバ」の最大の特徴は、重症化リスクのない軽症の患者でも使える薬だという点。

これまで開発された「ラゲブリオ」と「パキロビッドパック」という新型コロナの薬は、重症化リスクのある患者向けの薬だったらしい。コロナとうまく付き合いながら社会を回すためにも、軽症者向けの薬「ゾコーバ」は待望の薬だと言えるだろう。


・処方はけっこうハードルが高い

ちなみに、「ゾコーバ」は副作用は少ないものの、禁忌事項が多く、処方されるにあたって通常の薬の処方よりもかなりしっかりと確認をされたし、説明も長かった。

特にしっかり聞かれたのが以下の2点。


・妊娠の可能性はないか
・普段飲んでいる薬や持病について


また、説明を受けたあとに同意書にサインが必要だった。

特に心配されるのが胎児への影響らしく、飲んだあと2週間は避妊をしっかりするように……といったことも言われた。妊娠の可能性のある人や、妊活中の人は要注意。


また、飲み合わせの悪い薬がかなり多いそうで、持病がある人は病名と、飲んでいる薬についても細かく確認される。実際、私はたまに飲んでいる偏頭痛の薬との飲み合わせが悪いと指摘されて、ゾコーバを飲んだあと、しばらくその薬を飲まないように指導を受けた。

新しい薬だし、まだ未知のことも多いのだと思う。持病のある方はお薬手帳などを持参したほうがいいと思う。


・5日間連続で服用する

「ゾコーバ」は5日間分を処方されるのだが、服薬ペースがけっこう特殊で

1日目……3錠を一気に飲む
2〜5日目……1日に1錠飲む

という感じであった。

朝・昼・夜・食前・食後など飲むタイミングは特に指導されないが、処方された分は必ず飲むように言われた。錠剤が大きいので喉が腫れてると飲みづらいかもしれない。


・自分が飲んだ結果…

さて、ここからが気になるゾコーバの服薬効果の話になる。これはあくまでも私の場合なので、みんなが同じような経過をたどるとは限らないってことは留意していただきたい。

参考までに私のスペックを書いておくと


・40代女性ちょっと肥満
・コロナワクチンは4回接種済み
・持病はあるが重症化リスクはない
・以前はインフルエンザなどによく罹(かか)っていた


という感じ。インフルエンザでさえ辛いので、コロナに絶対かかりたくなくてワクチンは4回打った。

5類移行後もマスクして消毒液も持ち歩いていた。まあ、つまり病気がちで運の悪い40代のおばさんである。

明け方に全身の倦怠感と咳、37度の熱が出て、その日の午前中にコロナの診断を受けて、すぐに処方されたゾコーバを飲んだ。


・飲む前の予想

正直、発症からかなり早い段階でゾコーバを飲んだし、ワクチンも打っていたから大したことにはならないだろう……と思っていた。

ちなみに、以前、インフルエンザにかかったときは、吸引薬(イナビル)を服薬して一晩経ったあたりで熱も下がって快方に向かった経験がある。

だから「ゾコーバ」も同じような感じで、飲んだらすぐにコロナの症状がおさまるだろう……なんてったって特効薬だし、薬価5万だし、錠剤めっちゃ大きいから効きそうだし。コロナは5類にもなってるし。

な〜〜〜んて軽く考えていた。

ちなみに、ゾコーバの他にも咳止めとか解熱剤とか炎症止めの薬なども大量に出ていた。


・症状、全然よくならない

ところがどっこい、予想に反して、症状がよくならない。

熱は37.6度まで上がるし、ふしぶしが痛いし、咳は出るし、寒気はするし……。痛み止めの薬が切れると猛烈な頭痛が襲ってきて、自分のうめき声で目が覚める。夜中になると咳が出て、頭に響いて頭痛がひどくなる。

あと、個人的に怖かったのが、物忘れがひどかったこと。とっさに言葉などが出てこないし、文章を組み立てることもできなかった。


風邪やインフルエンザの症状のトッピング全部のせ、苦痛マシマシ、咳プラスみたいな感じである。今までかかった病気のなかで一番しんどかった。

ひょっとしたら、これでも薬を飲んでマシな方なのかもしれないが、一週間は寝る以外何もできないくらいしんどかった。病気というより呪いにかかったような状態に近い。

今までいろんな病気になった私が断じて言うけど、コロナはただの風邪ではない。

「ゾコーバ」を飲んだらすぐに治るだろう……なんて見立ては甘かったのだ。


・公式なゾコーバの効果は

期待していたような即効性は私にはなかった。よくよく調べたところ、ゾコーバを服薬していると


・発熱などの症状が改善するまでの期間が1日早まる
・後遺症のリスクが45%低減する


といった結果が出ていると、NHKが報じていた

なるほど、すぐ効果が出るわけじゃなくて、1日治るのが早くなるのか〜〜〜〜〜〜!


たった1日か……と一瞬思ってしまったが、でもこの苦しみがあと1日続くのはしんどいしなあ……。

あと、周囲のコロナにかかった人からは後遺症で、未だに通院しているという話をよく聞いている。ゾコーバで後遺症のリスクが45%下がるというのはかなり大きいと思うので、飲んでも意味がないなんて思わない。

5日分の薬を飲み終えたが、正直、まだ息苦しいし、声が枯れている。医学が進歩したとはいえ、コロナはまだまだ未知の病であり、さらに効果的な薬が開発されるには時間がかかるのだと思う。


・5類だから、薬があるからって安心できない

とまあ、長々と書いたが……。薬を飲んでみて思ったことは5類になったから、薬が開発されたからってコロナは気楽な病気なんかじゃなかったということだった。薬を飲んでも想像を絶する具合の悪さだったし、人にうつすリスクが高いのは相変わらずである。

家族とは寝室を分けるように言われたし、我が家の母は現在、がん闘病中なので、予定していた実家の帰省はもちろん中止になった。5日間は外出自粛なので、会社や仕事相手にも迷惑をかけた。


5類に移行し、観光客が激増する中、マスクは任意になった。もちろん、マスクの着用は個人の判断なので、マスクをしていない人に文句を言うつもりはさらさらない。

病院でも感染者が増加傾向だと言われたから、コロナにかかりたくない人は、当分はマスク・手洗い・うがい・消毒を徹底したほうがいいんじゃないかと個人的には思う。本当にしんどいので、くれぐれも皆様、お気をつけて……。


参考リンク:東京都福祉保健局
執筆:御花畑マリコ

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