東京・中央区で路上に大量のキーボックスが取り付けられた問題を巡り、キーボックス1つを取り付け、都に撤去作業をさせるなどして業務を妨害したとして、警視庁が不動産会社社長の男性を書類送検したことがわかりました。
軽犯罪法違反の疑いで書類送検されたのは不動産会社社長で東京・港区に住む男性(52)です。
警視庁によりますと、男性は2024年6月上旬ごろ、中央区晴海の歩道上に設置されている鉄柵にキーボックス1個を取り付け、7月19日までの間、東京都に撤去を依頼する警告文を掲示させたほか、実際に撤去作業をさせるなどして、都の業務を妨害した疑いがもたれています。
キーボックスが設置された場所の近くには、2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地のマンション群「晴海フラッグ」があり、男性はキーボックスの中に自身の会社が保有する「晴海フラッグ」の部屋のカギを入れていたということです。
中央区の晴海地区や勝どき地区をめぐっては、2024年5月以降に「キーボックスがある」などと住民からの申し出が相次ぎ、多いときには約30個のキーボックスが電柱やフェンスなどにつけられているのが確認されていました。
その後、このキーボックスは、不動産業者が物件の内覧などをスムーズに行うために取り付けていたことがわかり、警視庁は全国不動産協会などに業界内での呼びかけを要請するなど、対応を講じていました。
任意の調べに対して男性は容疑を認め、「内覧で来たお客さんをスムーズに案内するために付けた」「不動産業界で、内覧場所の近くにキーボックスを付けることは、以前から行われていて、常識になっていた」「晴海エリアは管理組合が厳しくマンション内にキーボックスをつけるのが難しいため、近くの鉄柵に付けた」「今後、同じようなことはしないと約束する」と話しているということです。
警視庁によりますと、キーボックスを取り付けた業者を検挙するのは都内では初めてだということです。
最終更新日:2024年11月27日 10:31