財布に優しい立ち食いそばが材料費高騰の影響を受けている。昨年値上げしたばかりの店でも、前年と比較してしょうゆが20%、かつお節が50%も価格が高騰していて店主も「厳しすぎますね」と悲鳴をあげている。 【画像】店の外まで大行列ができている人気の立ち食いそば店
前年度比でしょうゆ20%、かつお節は50%↑
東京・荒川区の「一由そば」で人気の「ゲソ天そば+ワカメ」。 茹でたてのそばにシャキシャキのワカメをトッピングし、揚げたてのゲソ天をのせ、鰹が利いた熱々のしょうゆだしをかけた名物メニューだ。 この一杯を求め、店の外まで大行列ができる人気の立ち食いそば店「一由そば」。厨房では注文が殺到するゲソ天を次々と揚げ続けていた。 30代の利用客からは「やっぱりゲソ天が美味しいですね」、60代の利用客からも「(食べたのは)500円の太そばゲソ天ですね。安いですね」という声が聞かれた「ゲソ天太そば(並)」は税込みで500円。 お値打ち価格で店で一番人気のゲソ天そばに今、材料費の高騰が押し寄せている。 「一由そば」藤平健店長: 全部が上がり続けているので、厳しい状態。「おそば」「ゲソ」「油」「しょうゆ」「みりん」「かつお節」がずっと値上がりしている感じなので、3重4重5重に苦しい。 仕入れ価格の高騰は前年と比較して、天ぷらに使うイカゲソが10%、あげ油が11%、トッピングのわかめが5%、みりんが12%、しょうゆが20%、かつお節が50%と店はまさに6重苦の状況。 中でもイカゲソは前年比10%アップ、しょうゆは20%、かつお節は50%も値上がりしている。 「一由そば」藤平健店長: 厳しすぎますね。ずっと安く食べていただくことが、僕らの信念だった。 今、ゲソの(販売)金額が160円。(原価率は)大体30%に抑えてはいるんですけども、抑えられない。お客さまが増えれば増えるほど天ぷら揚げる数が増えるので…。 実は、2023年12月、店は既にそばの値段を20円値上げしたばかり。値上げしたことについて50代の利用客は、「やっぱり!この金額で、色々物が値上がっているので、やっていけるのかなという心配があった。今日20円高かったから計算間違いかなとも思ったけど」と話した。 「一由そば」藤平健店長: なるべく値上げをしないよう努力はするんですけれども、お店の存続がかかっているので、苦しい状態を逃れながらでもお客さまの満足を得たい。 “お得がうり”の立ち食いそば店が6重苦