あすと長町、街開き延期 中核施設見直し影響 仙台

仙台市太白区の「あすと長町土地区画整理事業地区」の街開きが、予定の3月末に間に合わず、5月にずれ込む見通しとなった。工事の遅れに加えてマスタープランの見直しが、オフィス用地などの販売を公募する時期に影響した。開発業者の間には模様眺めの空気も漂っている。

 完成が遅れているのは、メーンストリートの「あすと長町大通り線(1659メートル)」。市都市整備局は、利用開始に合わせた街開きイベントを予定していた。
 あすと長町の中核施設をめぐるマスタープランの見直しも、年度をまたいだ作業になる。

 梅原克彦市長は昨年10月、当初予定していた音楽堂の建設予定地(第1街区)に、老朽化した市立病院(若林区)を移転する方針を表明。都市計画審議会による用途変更の手続きも3月末に行われる。頓挫した「仙台空中中華街」構想に代わる集客施設の誘致も、検討を続けている状態だ。

 事業地区82ヘクタールのうち、都市再生機構が主体となり、販売する保留地は16ヘクタール。マスタープラン見直しによって建築要件も変更されるため、公募開始は5月以降になる。

 「ビル建設が本格化するのは来年以降」と話すのは市内の開発業者。「音楽堂を中核施設にすれば、商業系の開発も見込めたが、市立病院ではマンション系の開発にならざるを得ない」とみる。

 別の業者は「JR仙台駅など都心部で再開発が進んでおり、長町地区に今後、オフィス需要が見込めるかどうかは冷静に見極めなければならない」と慎重だ。

 市は、泉区の泉中央地区とともに「副都心」に位置付ける考えだが、地元の開発業者は「市がどんな目玉施設を誘致するかによって、街の風景も違ってくる」と話す。

2007年02月10日土曜日

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