あなたの買い物、タクシーが代行 宮城・松島の会社が町民向け新事業

宮城県松島町の松島公園タクシーが、町民向けの新事業としてタクシードライバーが買い物代行などを請け負う「おつかいタクシー」を始めた。新型コロナウイルスの感染拡大で外出を自粛する高齢者らのニーズに応えつつ、減少する売り上げを補う。
 主な依頼は買い物代行のほか、飲食店のデリバリーなどを想定する。利用料は地域ごとに1000~2300円の3段階で設定。客を乗せないため従来の片道分に抑えたという。
 買い物代行は電話でタクシーを呼び、乗務員にスーパーの場所を告げ、購入する品物のリストなどを手渡す。利用料に加えて必要となる商品の購入代金は、品物と引き換えの後払いにした。
 デリバリーは飲食店に注文後、タクシーに商品の配送を依頼する。ウイルスの感染拡大でテークアウトなどを始めた飲食店が多く、人手不足や配達手段がない飲食店の要請も受ける。
 町の高齢化率は2018年度末で37.9%と高い。同社の乗務員は乗客から「買い物の荷物を持ってほしい」「病院に送って診察券を出してほしい」などと頼まれ、サービスとして引き受けてきた。
 小型と中型で計7台のタクシーを所有するが、政府が緊急事態宣言を全国に拡大した影響で住民や観光客の利用が落ち込み、稼働する台数や営業時間を減らして営業を続ける。
 阿部琢磨専務(31)は「厳しい状況だからこそ地元の足という存在意義を見直した。一定のニーズがあり、検討していた事業でもある。要望には柔軟に対応していきたい」と話す。
 連絡先は同社022(354)2186。

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