冬になると、なぜか気分が落ち込むことが多いという方、もしかしたらその原因は、あなたの誕生月にあるかもしれない。最新の研究結果によると、「春、もしくは夏生まれの人は、寒い時期になると精神的に不安定になり、ふさぎこみやすい」ことがわかったそうだ。
ボローニャ大学の研究者らは、特に気分の変動が激しいといわれる、10代の若者を対象に調査を行った。1523人の被験者たちに、季節による気分の変化を調べるための質問に答えてもらい、その結果を彼らの生まれた季節と比較するというものだ。
すると、春や夏に生まれた被験者ほど、暗さや日照時間の短さなどのような、冬特有の影響に対して敏感になっていることが判明した。特に、夏生まれの人はより過敏になりやすく、冬生まれの人と比べると、明らかな違いがみられたという。
この理由として、生まれた直後に日光を浴びた量や頻度が、神経組織に何らかの影響を与えているのではないかとのこと。夏に生まれて、日光を多く浴びたことで、「季節性情動障害」になる可能性が高まると、研究者らは考えているようだ。
この季節性情動障害とは、「冬季うつ病」とも呼ばれ、一定の季節にだけ、気分の落ち込みや体のだるさなどのような、うつ病に似た症状が出るというもの。
実は、生まれた季節とその後の健康面との関係については、これまでも多くの研究が行われている。例えば、冬生まれは、アレルギーや統合失調症にかかりやすく、夏に生まれた人は、比較的丈夫な体に育つ傾向がある一方で、消化器系統の病気になりやすいなどの研究報告がある。
誕生した季節の影響に関しては、諸説あるため、すべてを鵜呑みにすることはできないが、夏生まれで、冬になるとなんとなく気分が落ち込むとお悩みの方は、「生まれた季節のせいなら仕方ない!」と考えれば、少しは気が楽になるかもしれない。
参照元:Mail Online(英文)
photo: RocketNews24