球団創設9年目で初の日本一に輝いたプロ野球東北楽天の優勝パレードが24日、仙台市青葉区の東二番丁通で開催された。青空の下、21万4000人(主催者発表)が沿道を埋め尽くし、東日本大震災を乗り越えて頂点に立ったナインの活躍をあらためて祝福した。
星野仙一監督と1、2軍の全選手ら約100人が参加。球団幹部や自治体関係者らとオープンカーとオープンバス計10台に分乗した。午前11時に青葉区本町の仙台商工会議所前を出発。五ツ橋交差点までの約1.5キロを約40分かけてゆっくり進んだ。沿道からは盛んな声援が送られ、選手たちは笑顔で応えた。
星野監督は「『おめでとう』より『ありがとう』と言われた時に、ぐっとこみ上げるものがあった。選手たちには、もう一度(優勝パレードを)やりたいという思いを強く持ってほしい」と話した。午前6時半からスタート地点近くで妻とパレードの開始を待った石巻市蛇田の会社員丹野真哉さん(43)は「銀次選手と目が合って感激した。震災後、選手たちが石巻を訪れ、励ましてくれたことが本当にありがたかった。素晴らしいシーズンになった」と語った。
パレードは、官民でつくる楽天イーグルス優勝パレード実行委員会(会長・鎌田宏仙台商工会議所会頭)が主催した。仙台市の中心街でスポーツ関連のパレードが実施されるのは06年3月、トリノ冬季五輪フィギュアスケート女子で金メダルを獲得した荒川静香さん(宮城・東北高-早大出)以来。パレードに混乱などはなかった。
東北楽天は2004年11月、プロ野球50年ぶりの新球団として誕生。昨季まで勝ち越したのは09年の1度だけだったが、今季はパ・リーグを初制覇し、日本シリーズでは第7戦までの激戦の末にセ・リーグ覇者の巨人を破った。
24日は、宮城県民栄誉賞が球団と田中将大投手に、仙台市賛辞の盾が球団と星野監督、田中投手に贈られた。