いかだで船出 気仙沼の魅力再発見

 気仙沼市本吉町を拠点に活動する公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(東京)気仙沼事務所が、地元の小学生に海の魅力を知ってもらう体験学習会を開いている。子どもたちは手作りのいかだで海にこぎ出し、東日本大震災後、疎遠になりがちな海辺とのつながりを深めた。
 「あつまれ 浜わらす!」と銘打った11回目の学習会が22、23日にあり、同市大谷小の児童約20人が参加した。ロープの結び方を習ったり、同市本吉町の日門海岸でいかだを海に浮かべたりして楽しんだ。
 6年の佐藤晃生君(11)は「ロープの結び方が独特で難しかった。きつく結ぶことができて驚いた。いかだが浮いて良かった」と目を輝かせた。
 学習会は昨年7月、大谷小児童を対象に始まった。磯歩きや手作りの竹ざおによる海釣り、漁業体験、大谷大漁唄(うた)い込みの練習などさまざまで、これまで延べ約150人が参加した。
 気仙沼事務所の笠原一城さん(34)は「震災後、被災地では海の怖さが強調され、海辺に近づきにくくなっている。海と共に生きる子どもたちに魅力を知ってほしかった」と活動の狙いを語る。
 塩づくりやサケの刺し網なども計画する。大谷小以外の子どもたちにも広げたい考えだ。
 学習会に協力する天ケ沢区振興会長の菊地敏男さん(66)は「子どもたちに海との付き合い方を教えてくれる。地域への愛着も深まり、ありがたい」と感謝している。

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