文部科学省が4日に公表した2022年度の児童生徒問題行動・不登校調査結果で、東北では山形県が1000人当たりのいじめ認知件数で3年連続の全国ワースト1位となった。宮城県は1000人当たりの不登校児童生徒数が都道府県別で6番目に多く、青森県は1000人当たりの暴力行為の発生件数が全国2位の水準だった。
6県と仙台市の調査結果は表の通り。6県計は、小中高校と特別支援学校のいじめの認知件数が前年度比2・1%増の5万4020件。小中学校の不登校児童生徒が20・6%増の1万7627人、小中高校の暴力行為が26・5%増の6979件。
1000人当たりのいじめ認知件数は宮城と山形で前年より減ったが、山形は全国で唯一、100件超と高い状態が続く。福島を除く5県で全国平均(53・3件)を上回り、岩手は全国10位だった。
認知件数自体は1万件を超えている宮城、山形で減った一方、他の4県では増加した。
不登校の児童生徒数は宮城が東北で最も多く、全国13番目の水準。6県全てで前年より増え、増加数は宮城の970人が最も多かった。1000人当たりでは宮城だけが全国平均(31・7人)を上回った。
1000人当たりの暴力行為の発生件数も6県全てで前年より増加した。青森と宮城が全国平均(7・5件)を超え、宮城は全国11番目。
仙台市の1000人当たりのいじめ認知件数は147・1件。前年より5・2件減ったが、政令市別の件数が公表された17年度調査以降、新潟市に次いで高い水準が続いている。
1000人当たりの不登校児童生徒数は20政令市の平均(33・1)と同数。1000人当たりの暴力行為の発生件数は20市のうち、新潟や広島に次いで5番目に多かった。 各県教委、仙台市教委は今後、調査結果を分析し、いじめ防止や不登校者支援の施策に生かす。