いじめの早期発見と適切な対応を促すため、仙台市教委は教員向けの生徒指導ハンドブック「見て分かる いじめ防止マニュアル」を作り、市立小中高校などの全教員約5500人に配布した。マニュアル作成は2007年度に次いで2度目。ことし3月に市が策定したいじめ防止基本方針や、11年に起きた大津市の中2男子の自殺なども踏まえ、未然防止に力点を置き、全面的に改訂した。
A4判、フルカラーの40ページ。いじめの定義や発生要因といった「基本認識」から、発見時の迅速な対応について記載した「いじめの対応」や「ネット上の対応」など、具体的な指導法を項目別にまとめている。
「未然防止」の項目では居場所や絆づくりを通じて、児童生徒が学校生活を快適に過ごすための実践例を示した。学級スローガンづくりやあいさつ運動を取り入れるなど、年間の学級運営モデルも紹介している。
文科省の調査によると、12年度の市内のいじめ認知件数は7565件。年度末までに問題が解決した割合を示す「解消率」は99.3%だった。
市教委教育相談課は「いじめが起こることを前提に、校内研修などに活用し解決や未然防止につなげてほしい」と話す。ハンドブックの内容は市教育センターのホームページで公開している。