いじめ調査の回答「ない」に改ざん 仙台・七北田小講師を懲戒免職

仙台市教委は7日、担任する児童22人のいじめ実態把握調査の回答を改ざんしたとして、七北田小(泉区)の男性講師(48)を懲戒免職処分にしたと発表した。自分へのいじめが「ある」と訴えた児童2人の回答を「ない」と書き換えたほか、学校のいじめ対策の取り組みも高評価の答えに書き直した。講師は市教委の調査に「いじめの件数が少ない方が評価が高まると考えた」と釈明したという。

 市教委によると、調査は11月に幼稚園を除く全市立学校で実施。児童生徒が自宅で記入し、学校に提出した。講師は9月から担任となった低学年の児童33人の調査用紙を回収後、22人分の回答欄を消しゴムで修正し、鉛筆で書き換えたり、記述を消したりした。
 児童1人はいじめが「ある」に丸を付けたが、訴えた内容が既に学校が把握している事案のため、講師はいじめ件数から除外したいと考え、回答を「ない」と書き換えた。いじめの継続や相手を指摘した回答も消し、つじつまを合わせた。
 「学校の先生にしてほしいこと」の自由記述欄も、児童が書いた「きょうとう先生に言うとおどかさないでください」との文言を全部消去した。講師は日常的に児童に「教頭に言うぞ」などの言葉を発していた。
 別の児童もいじめが「ある」と答えたが、講師は児童と面談し、他の児童とけんかして仲直りしたことを確認したとして「ない」と改ざん。「どのようないじめを受けたか」「いじめを誰かに話したか」など関連する回答を全て消去した。
 最初の児童の保護者が講師、教頭と面談した際、児童の回答内容と異なる言動があったため不審に思い、調査用紙の原本の提示を求めて改ざんが発覚した。
 市教委は私文書偽造の疑いがあるとして、講師の告発を視野に宮城県警と相談する。谷田至史教育人事部長は「学校教育への信頼を損ねた。再発防止に万全を期し、全教職員でいじめ防止に努める」と陳謝した。

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