いまは人より金? 招き猫、右手上げが急増 愛知・常滑

【加藤勇介】「千客万来」「商売繁盛」を願う縁起物の招き猫の「手」に、異変が起きている。かつては左手を上げたものが多かったが、最近は右手上げが急増。さらに両手上げも現れた。背景に世相の変化もあるようだ。
 ご存じだろうか。左手を上げた猫は人を招き、右手を上げたものは金を招くとのいわれがある。商人が右手で金勘定をしたなど諸説あるが、真偽は不明だ。生産量が日本一とされる愛知県常滑市で、年間5万~7万個を製造する「冨本人形園」の冨本きくえさんは「約20年前は9割が左手上げ。この数年は4対6ぐらいで右手上げが逆転しました」という。
 かつては企業などが客を呼ぼうと、左手上げを注文した。2000年代になって、猫好きの個人客が猫グッズとして買い始めた。住宅に飾るには「千客万来よりもお金」というわけか、右手版の売れ行きが伸び出した。

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