2018年4月3日、英BBCの中国語版サイトは、中国の「新4大発明」とされる高速鉄道、モバイル決済、ネット通販、シェア自転車について、「これら技術のどれもが中国の発明品ではない」と指摘した。一方で、「その普及と応用面でリードしている」とも評価している。
記事は、中国の「新4大発明」という言い方が広まったのは、17年5月に北京外国語大学で行われた調査がきっかけだと指摘。20カ国から来た留学生に「自分の国に一番持ち帰りたい技術」を尋ねたところ、最も多かった回答が、高速鉄道、モバイル決済、シェア自転車、ネット通販だったそうで、それ以降、中国の「新4大発明」という言葉が中国メディアの報道に絶えず登場するようになったと紹介した上で、「しかしこうした技術の起源は中国ではない。数十年前に発明されていたものだ」とした。
記事は高速鉄道について「『高速鉄道』の標準化された定義はない。欧州連合(EU)では新しいレール上で時速250キロメートル以上、古いレール上では同200キロ以上とされている。国際鉄道連合(UIC)によると、世界初の高速列車の運行は1964年の日本の新幹線から始まった。フランスでは55年に時速331キロが達成された。しかし東京と大阪を時速210キロで結んだ新幹線が、最初の定期運行の高速列車とされている」とした。
中国では支付宝(アリペイ)や微信支付(ウィーチャットペイ)によるスマートフォンを使ったモバイル決済が普及している。記事は「最初に行われたのは97年のフィンランドだ」と指摘。フィンランドの電話会社が、有料の電話番号にダイヤルすることによってジュークボックスと飲料自動販売機の操作を可能にしたことを紹介し、「一般的には、2014年にリリースされたApple Payがモバイル決済のスタートとされている」とした。
ネット通販について、記事は「1979年に英国人のマイケル・アルドリッチ氏がオンラインショッピングのコンセプトを発明したとされている」とし、アルドリッチ氏がVideotexという技術を使ってテレビを電話回線を介して地元の小売業者のコンピュータに接続したことを紹介した。その上で「95年にアマゾンとeBayがウェブサイトを立ち上げたことで、ネット通販が普及し始めた」とした。
自転車をシェアするというコンセプトについて、記事は「60年代にアムステルダムで反主流文化運動を起こした、若い無政府主義者によって最初に提案された。そうした運動はホワイト・バイシクル計画と呼ばれたが、盗難奨励を懸念する警察により自転車は没収された」とした上で、「最初に大規模なシェア自転車プログラムが開始されたのは90年代のコペンハーゲンだ」とした。(翻訳・編集/柳川)