おもてなしの極意学んで 学院大「おかみ会」と連携、書籍出版

東北学院大経営学部は、県内の旅館・ホテルのおかみでつくる「みやぎおかみ会」と連携して開催している「おもてなしの経営学」を3部作の書籍にまとめ、このほど「実践編」「理論編」の2巻を発売した。来年3月には震災対応などをまとめた「震災編」を刊行する。
 「おもてなしの経営学」は2009年の学部発足時に、目玉講座の一つとして開講した。授業は3年生の後期に実施され、おもてなしのこつや観光業について、おかみや研究チームの教授陣が講義を行ってきた。
 「実践編」のタイトルは「宮城のおかみが語るサービス経営の極意」。09~10年度の講義に登場した、おかみ会会長の磯田悠子さん=ホテル松島大観荘(松島町)=をはじめ老舗や人気旅館のおかみ9人が、生い立ちや経験、旅館経営の現実やこだわりを紹介する。
 「観光は地域の人たちと連携することが重要」(磯田さん)など、おかみの話からは観光業が地域に根差し、地域を支えるという視点の大切さが伝わってくる。
 「旅館経営への複合的アプローチ」と題した「理論編」は、教員による講義の解説や分析を整理した。東京の有名ホテルが震災時に行った帰宅困難者らへの支援を例に、企業の社会的責任などが論じられている。
 研究チームの斎藤善之教授(商業史)は「研究を通じて地域資本そのものを提供する観光業は、東北が再生する中で大きな可能性があると確信できた」と話している。
 各巻1680円。連絡先は創成社03(3868)3867。

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