お城、帆船、スーパーカー…大人の本格模型が人気

少子化で玩具市場が縮小する中、大人向けの本格模型が人気だ。14日に千葉市の幕張メッセで開幕したプラモデルなどの模型の祭典「全日本模型ホビーショー」では、各社が自慢の模型を出展アピールした。
 同ショーは今年で50回目。16、17日に一般公開される。木製の帆船や城などの建築物の模型を製造する「ウッディジョー」(静岡市駿河区)の常木則男社長は、「メーンの顧客は60~80代の方です」と話す。定年を迎え、3~4カ月をかけて数万円する寺社仏閣や城の木製模型を作成し、完成すると次の商品を注文する人も目立つという。
 さんけい(京都市右京区)の「みにちゅあーときっと」は、硬質紙をはり合わせて組み立てる紙の模型。建物や車などを並べると昭和初期の町並みなどを再現できるジオラマになる。40~50代の男性が顧客の中心という。
 アオシマ(静岡市葵区)は「顧客のすそ野を広げるためには、完成品が精巧でも作りやすくなければならない」と、“実物感”を追及する精巧なプラモデルとは一線を画す。同社が力を入れるのは、今月末に発売するスーパーカーのプラモデル「ランボルギーニカウンタック5000QV」だ。「完成度が高い割には作りやすい」という。
 一方で、顧客のすそ野を広げるため、次世代の顧客を育てるのも重要なテーマ。タミヤ(静岡市駿河区)の「ミニ四駆」は、親子のユーザーも多く、入門プラモとして定着している。バンダイの子供向けガンプラ「SDガンダム」も同様だ。
 少子化の逆風が吹き付ける中、お金にも時間にも余裕のある大人を取り込もうと、各社が知恵と工夫を凝らしている。

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