かかしもスクラム!? ラインアウトや「診療所」も 田んぼに350体 大分

大分県佐伯市の山あい上津川(こうづがわ)地区の稲刈り後の田んぼに「かかし村」が出現した。開催中のラグビー・ワールドカップにちなんでスクラムやラインアウトの様子が、かかしで再現されている。どのかかしも本物そっくりの出来栄えで、今にも歓声が聞こえてきそうと評判だ。【衛藤親】

 かかしは全部で約350体。ラグビーのほか、「かかし村大運動会」と題して、玉入れ、むかで競走などの様子も表現されている。

 作ったのは、上津川ふれあいサロンのメンバー4人と協力者の約10人。メンバーの一人、高橋ふくみさん(65)によると、約10年前に水戸黄門と助さん・格さんを稲わらで作ったところ話題となり、毎年作るようになった。

 稲わらだと毎年作り直さなければならないため、ペットボトルと太い針金で人の形を作り、テーマによって衣装を替えるようになった。8年前から稲刈り後の田んぼを舞台に、神楽の様子などを再現してきた。バス停の近くにかかしを置いたところ、バスの運転手が本物の人と間違えて停車したという楽しいエピソードも生まれ、地域の毎年の楽しみになっている。

 今年は、地域学習のために訪れた佐伯市立城南中学校1年生12人も協力し、人形の着るTシャツに粘着テープを張って横じまのジャージーを表現した。いつもは神楽の登場人物の「荒神」も観客席で試合を見守っている。試合で出る負傷者のため「診療所」まで作る念の入れようだ。

 かかし村は11月末まで公開の予定。高橋さんは「高齢化で、作り手は減るばかりですが、地域の人や訪れた人が喜んでくれるのが何よりの励みになります」と話す。

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