県内のこけし職人と在仙のイラストレーターが制作した創作こけしセットが完成し、仙台市内で5月1日に発売される。「花こよみ」「旅こよみ」と題した2種 類で、各12体に仙台の12カ月を描いて季節感を表現した。伝統工芸品の販路開拓の一環として、市が両者のコラボレーションを支援し実現した。
こけしのサイズは4寸(12センチ)。「花こよみ」は遠刈田系職人小笠原義雄さん(79)がこけしを作り、イラストレーター佐藤純子さん(36)が胴体を デザインした。1月は松とナンテン、2月はツバキなど四季折々の草花を図案化。白い木肌に紫や緑が映え、上品な仕上がりとなった。
「旅こよみ」 は弥治郎系職人星定良さん(59)のこけしに、イラストレーター泉友子さん(55)が絵付けした。定禅寺ストリートジャズフェスティバルやSENDAI光 のページェントといった風物詩のほか、弥治郎系こけしの拠点、白石市の風景や特産の温麺(うーめん)を描いた。
「旅こよみ」は5月1~10日に青葉区の仙台パルコで、「花こよみ」は1日から同区の藤崎などでそれぞれ販売される。いずれも1体ずつ購入できる。
伝統を基盤に現代風のデザインを施した作品に、市の担当者は「伝統こけし愛好家以外の人も興味を持つきっかけになってほしい」と期待。商品PRに力を入れる考えで「雑貨店やインテリアショップに並べたい」と意気込む。
価格(税別)は1体当たり「花こよみ」2500円、「旅こよみ」2900円。連絡先は市産業振興課022(214)8263。