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B級グルメにゆるキャラなど、“ローカル”が何かと話題だが、次なる注目のご当地モノは、その土地で愛されるローカルおやつ!?
 例えば、高知県高知市の野村煎豆加工店の「ミレービスケット」。地元では60年近く親しまれつつも、「従業員39人のメーカーですから、東京進出なんて考えてもいなかった」(同社専務・野村有弘氏)が、縁あって5~6年前から地元企業と合同で県外の展示会に出品。販路はあれよあれよと全国拡大し、売り上げは8~10倍に急伸した。
 また、熊本県の味屋製菓の「亀せん」も、ネット通販を通じて全国へ浸透中。3年前に亀せんのネット販売をスタートさせた楽天市場「かめせん屋」代表・野尻靖弘氏によると、「熊本出身の方が懐かしさから注文してくれたり、たまたま購入してくだったお客様から口コミで広がっているようです」とのこと。
⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=483138
 地方から全国へ。両社さぞかし鼻息は荒いだろうと思いきや……。
「ミレーみたいな安いお菓子が東京でウケる理由がわかりませんでした。真面目に作り、真面目に売っていたのがよかったのかもしれませんが、今でも、売れなくなったら売れなかったでいいしとも思ってます」(野村氏)
「父親が味屋製菓で働いていて、自分が味わってきたできたての亀せんの味を食べてもらいたいというのが第一。だから、注文後に製造という方法で、場合によってはお待ちいただくことも」(野尻氏)
 とまあ、驚くほどに素朴だ。
 しかし、B級グルメブームを黎明期から見てきた“プロの食いしん坊”、柳生九兵衛氏は、「だからこそ、いい」とも指摘する。
「今、地方独自のものを発掘する流れは盛んで、無理矢理、メディアが作ったテーマやルールにはめられ、モノ自体が変質させられるということも少なくない。お菓子はそれぞれのメーカーが商標を持つのでご当地B級グルメのように一体となっての町おこしの起爆剤にはなりにくい。でもメーカー自体、そんなことに重きをおいてませんよね。だからこそ知られざるうまいものが発掘されて広がるという動きになる可能性がある」
 誰にだって語りたいローカルおやつがあるはず。夏休み、帰省の折、懐かしの菓子を探してみては? <取材・文/SPA!編集部>
※7/30発売の週刊SPA!特集「全国[ローカルおやつ]自慢大会」より

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