ベネチア映画祭で最優秀新人賞を受賞したのを始め、人気・実力ともに若手女優随一の二階堂ふみ、『アオイホノオ』、『ごめんね青春!』と話題のドラマに立て続けに出演している黒島結菜。と、現在ブレイク中のふたりの女優。ともに沖縄出身なのだが、もうひとつある共通点が。沖縄発のフリーペーパー『沖縄美少女図鑑』のモデルだったのだ。
『沖縄美少女図鑑』とは、2005年8月に創刊し、年2・3回のペースで配布されていたフリーペーパー。発行日から約1週間で限定発行数1万部が品切れになるほど人気が高く、市場に出回る期間が短いことから“幻のフリーペーパー”としても知られていた。これまでにのべ15冊が発行され、その表紙モデルとして、前述の二階堂ふみはまだあどけない姿で登場しており、その写真をたまたま見つけた現事務所の担当者によって、デビューをしたことでも知られている。
しかし、ここ数年は広告を主体とした発行形態を見直すために休刊中だった『沖縄美少女図鑑』。その高いクオリティの誌面と独自の編集視点を愛するファンを中心に復刊が熱望されていたが、ついに、2014年9月、発刊当時からの編集長である西原伸也氏は、クラウドファウンディングサービス「CAMPFIRE」へ参加。ファンからの支援金を集め、復刊させるプロジェクトがスタートした(http://camp-fire.jp/projects/view/1160)。「CAMPFIRE」のページで西原氏は、本プロジェクトについて、次のように記している。
「これまで沖縄美少女図鑑はクライアントからの予算で運営されてきました。しかしそうなってくると、クライアントの意向や予算の関係で僕らが本当に作りたかった沖縄美少女図鑑から離れて行ってしまった気がします。また沖縄という小さな街にある企業から得られる予算は沖縄美少女図鑑を運営できるほどの予算はなかなか確保できないのが現実です。しかしそんな苦労の中作ってきた沖縄美少女図鑑から上記で紹介させてもらった女の子達が巣立っていき、県民に夢を与えられた気がしています。これからも沖縄美少女図鑑はそんな夢を叶えたい女の子の為に、沖縄美少女図鑑を継続して発行していきたいと思っています」
「県産品のように愛され続けるフリーペーパーにしたい」とも語る西原氏は、本プロジェクトで支援目標額を集めるにあたり、一定額を支援した者には沖縄県産のゴーヤやマンゴーをお届け。また、最も豪華な特典がつく10万円の支援者には、『スクールガール・コンプレックス』(イースト・プレス)などで知られる写真家・青山裕企氏が特別に撮り下ろす、“世界で一冊だけの写真集”が贈呈されるなど、ファンにとってはたまらないリターンが満載だ。
「スタイル抜群じゃなくてどこか冴えない女の子でイケてるヤツを凌駕するストーリーをつくる」という裏テーマを個人的に掲げているとも語る西原氏。あの二階堂ふみも学校では目立つような存在ではなかったという。“美少女発掘の達人”として、業界内で注目を集める西原氏が満を持して送り出す表紙モデルもすでに決定。来年1月の新刊発行を予定している。
『日本ツインテール協会』、『美女暦』、『水中ニーソ』など、2000年代以降、美少女を独自の視点でコンテンツ化させたウェブサイト、また、書籍が増えている。その中で、90年代の沖縄アクターズスクールブームでの安室奈美恵やSPEEDの面々を始めとして、“美少女を生む土地”として歴史ある「沖縄」という土地から、どういった女の子が我々の前にあらわれるのか。『沖縄美少女図鑑』の今後にワクワクしてならない。まずは、残り10日ほどとなった「CAMPFIRE」でのプロジェクトが無事成功し、新刊が手に届くのを待ちたい。