住宅関連業界が、女性対応に力を入れている。大和ハウス工業は24日、女性専用のメークカウンター(化粧室)を設けた住宅を開発し、来年1月から売り出すと発表。ミサワホームは独身女性や共働き夫婦向けに、割安な小型の戸建て住宅を開発したほか、三井不動産や野村不動産は、インターネットの女性向けサイトの拡充に乗り出した。初婚年齢の上昇や夫婦共働きの世帯が増加する中、“女性視点”のサービス対応を強化することで、新たな需要を掘り起こす狙いがある。
大和ハウスのメークカウンターは「コクームスペース」で、高級化粧品ブランドの「SK-II」と共同開発した。空間全体の照明や収納にこだわり、エステサロンのような非日常的な空間を実現した。
この日、会見した渦居隆司専務執行役員は「女性の美に着目した住宅としてはまったく新しい提案だ」とアピールした。洋室6畳タイプからの仕様変更に伴う価格は105万円。国内に約1000万世帯ある共働きの夫婦を対象に売り込む戦略という。
ミサワホームは独身女性や共働き夫婦向けに一般的な戸建て住宅より広さを3割縮めたデザイン住宅「ジャストスマートを10月から売り出した。小型化で価格を1700万円程度(都内)に抑え、通常住宅より2~3割安くした。
一方、三井不動産レジデンシャルは女性専用サイトを10月に開設。マンション購入客のエピソードの紹介のほか、専門スタッフが購入に関する悩み相談も受け付けている。野村不動産アーバンネットも、総勢35人の女性営業スタッフが、女性客の相談に応えるサービスなどウェブ対応の強化を急いでいる。(今井裕治)